CFDを取引するときは、価格の値動きだけでなく、スプレッドや取引手数料などの取引コストも確認する必要があります。
また、商品や保有方法によっては、金利に関連する調整額や価格調整額、権利調整額などが発生する場合があります。
「取引手数料無料」と表示されているCFDでも、スプレッドなど別のコストが発生することがあるため、手数料だけで判断しないことが重要です。
この記事では、CFDのスプレッドや手数料、各種調整額の仕組みについて初心者向けにわかりやすく解説します。
CFD取引にかかる主なコスト・調整額とは?
CFDでは、売買するときだけでなく、ポジションを保有している間にもコストや調整額が発生する場合があります。
代表的なものは次のとおりです。
| コスト・調整額 | 主な内容 |
|---|---|
| スプレッド | 買値と売値の差 |
| 取引手数料 | 売買時に発生する場合がある手数料 |
| 金利などに関連する調整額 | ポジションを持ち越した場合などに発生することがある |
| 価格調整額 | 先物価格などを参照するCFDで発生する場合がある |
| 権利調整額 | 配当などの権利に関連して発生する場合がある |
すべてのCFDで、これらがすべて発生するわけではありません。
また、調整額は必ず支払いになるとは限らず、ポジションの方向や取引条件などによって受け取りになる場合もあります。
実際の仕組みはCFD会社や商品によって異なるため、取引前に確認することが重要です。
CFDのスプレッドとは?
スプレッドとは、CFDの買値と売値の差です。
CFDでは、同じ時点でも買うときの価格と売るときの価格が異なる場合があります。
この価格差が、売買時のコストの一つになります。
スプレッドは買値と売値の差
例えば、あるCFDの価格が、
- 売値:19,998
- 買値:20,000
だった場合、スプレッドは2ポイントです。
ただし、スプレッドの表示単位や1ポイントあたりの損益額は銘柄によって異なります。
そのため、
「2ポイントだから○円のコスト」
と一律に考えることはできません。
実際の金額は、銘柄や取引数量などによって変わります。
スプレッドが狭いほど売買コストを抑えやすい
一般的には、スプレッドが狭いほど売買時のコストを抑えやすくなります。
特に短期間に何度も売買する場合は、そのたびにスプレッドの影響を受けるため、わずかな差でも積み重なる可能性があります。
ただし、実際の取引コストはスプレッドだけでなく、取引手数料なども含めて確認する必要があります。
スプレッドは広がることがある
CFDのスプレッドは、常に同じとは限りません。
例えば、
- 重要な経済指標の発表前後
- 中央銀行の金融政策発表
- 相場が急変しているとき
- 市場の流動性が低い時間帯
などでは、通常よりスプレッドが広がる場合があります。
そのため、通常時に表示されているスプレッドだけでなく、市場状況によって変動する可能性があることも理解しておきましょう。
CFDの取引手数料とは?
CFD会社や商品によっては、売買時に取引手数料が発生する場合があります。
一方で、取引手数料を無料としている商品もあります。
取引手数料が無料のCFDもある
株価指数CFDや商品CFDなどでは、取引手数料が無料となっているサービスもあります。
ただし、
取引手数料無料=取引コストがゼロ
という意味ではありません。
取引手数料が無料でもスプレッドがあるほか、保有方法によって各種調整額が発生する場合があります。
そのため、「手数料無料」という表示だけで取引コストを判断しないようにしましょう。
株式CFDなどでは取引手数料が発生する場合がある
株式CFDなどでは、売買時に取引手数料が設定されている場合があります。
取引金額に対して一定割合の手数料がかかるなど、手数料体系はCFD会社や商品によって異なります。
株式CFDを取引するときは、スプレッドだけでなく、売買手数料の有無や計算方法も確認しましょう。
CFDではポジション保有中にも調整額が発生することがある
CFDでは、売買時のスプレッドや手数料だけでなく、ポジションを翌日以降へ持ち越した場合などに各種調整額が発生することがあります。
数日から数週間以上ポジションを保有する場合は、売買時だけでなく保有中の条件も確認しておきましょう。
金利などに関連する調整額
CFDでは、ポジションを持ち越した場合などに、金利に関連する調整額が発生する商品があります。
調整額は、
- 買いポジションか売りポジションか
- 金利水準
- 保有日数
- CFD会社の計算方法
などによって異なる場合があります。
また、条件によっては支払いだけでなく受け取りになる場合もあります。
長期間保有する場合は、こうした調整額が積み重なる可能性があるため確認が必要です。
価格調整額が発生する場合がある
金や原油などの商品CFDには、先物価格を参照しているものがあります。
このようなCFDでは、参照する先物の限月を切り替える際などに、価格調整額が発生する場合があります。
価格調整額は、限月の切り替えに伴う価格差などを調整するための仕組みであり、単純な取引手数料とは性質が異なります。
ポジションや取引条件によって、受け取りまたは支払いとなる場合があります。
すべての商品CFDで同じ仕組みが採用されているわけではないため、利用するCFD会社の商品仕様を確認しましょう。
権利調整額が発生する場合がある
株式CFDや株価指数CFDなどでは、配当などの権利に関連して調整額が発生する場合があります。
保有しているポジションの方向などによって、調整額を受け取ったり支払ったりする場合があります。
具体的な対象商品や計算方法はCFD会社によって異なります。
CFDを翌日以降まで保有した場合は、こうした調整額だけでなく、保有中の価格変動や証拠金、週末をまたぐ場合の価格ギャップなどにも注意が必要です。
CFDを持ち越したときに発生することがある調整額やリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDを翌日に持ち越すとどうなる?コスト・調整額・リスクを解説」
CFDのコスト・調整額は商品によって異なる
CFDは、株価指数・商品・株式など幅広い資産を取引できるため、商品によって確認したい項目が異なります。
| CFDの種類 | 主に確認したいコスト・調整額 |
|---|---|
| 株価指数CFD | スプレッド、保有関連の調整額、配当などに関連する調整額 |
| 商品CFD | スプレッド、保有関連の調整額、価格調整額 |
| 株式CFD | スプレッド、取引手数料、保有関連の調整額、配当などに関連する調整額 |
これは代表的な例であり、すべての商品に同じ項目が発生するわけではありません。
実際のコスト体系は、CFD会社や銘柄ごとに確認する必要があります。
CFDのスプレッドを金額で見るときの注意点
CFD会社を比較するときに、「スプレッド1」「スプレッド2」といった数字だけを見るのは十分ではありません。
実際に負担する金額は、取引する銘柄や数量によって異なるためです。
スプレッドの数字だけでは実際のコストは分からない
CFDでは銘柄ごとに、
- 価格の単位
- 取引単位
- 1ポイントあたりの損益
- 最低取引数量
などが異なる場合があります。
そのため、
「スプレッドが1だから、スプレッドが2の商品より必ず安い」
とは限りません。
表示されている数字だけではなく、実際の取引数量に換算したコストを見ることが重要です。
実際の取引数量でコストを確認する
CFD会社を比較するときは、
自分が実際に取引する数量なら、1回の売買でどの程度のコストになるのか
を確認すると分かりやすくなります。
最低取引数量が異なれば、同じようなスプレッドでも実際の負担額が変わる場合があります。
CFD会社の取引コストを比較するときのポイント
CFD会社を選ぶときは、スプレッドだけではなく、自分の取引スタイルに合わせて総合的に比較することが重要です。
スプレッドだけで比較しない
CFDの取引条件を見るときは、
- スプレッド
- 取引手数料
- 保有中の調整額
- 最低取引数量
などを確認しましょう。
すべての費用や調整額が常に発生するわけではないため、自分が取引する商品で何が関係するのかを見ることが大切です。
短期売買と長期保有では重要なコストが違う
取引スタイルによって、重視したい項目も変わります。
短期売買では取引回数が多くなりやすいため、スプレッドや売買手数料の影響が大きくなりやすくなります。
一方、数日から数週間以上保有する場合は、保有中の金利などに関連する調整額も確認する必要があります。
自分の取引期間に合わせて、見るべきコストを変えることが重要です。
同じ銘柄でもCFD会社によって条件が異なる
同じ日経225やS&P500、金などを扱っていても、取引条件がすべて同じとは限りません。
CFD会社によって、
- スプレッド
- 最低取引数量
- 取引手数料
- 各種調整額
- 取引時間
などが異なる場合があります。
銘柄名だけではなく、実際の取引条件を比較しましょう。
日経225・NASDAQ100・S&P500・金・原油など、主要銘柄のスプレッドをCFD会社ごとに比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:「CFD会社のスプレッドを比較|日経225・金・原油など主要銘柄の取引コストを確認」
CFD会社ごとの取扱銘柄や取引条件を比較したい方は、
参考記事:「CFD会社を比較|初心者向けの選び方と取引条件を解説」
も参考にしてください。
金・銀・原油・天然ガス・銅・プラチナなどの商品CFDに絞って、取扱銘柄やコスト、取引条件を比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:「商品CFDにおすすめの証券会社を比較|取扱銘柄・コスト・特徴を解説」
CFDで余計な取引コストを増やさないためのポイント
CFDの取引コストを完全になくすことはできませんが、取引の仕方によって必要以上に増やさないようにすることはできます。
必要以上に取引回数を増やさない
売買のたびにスプレッドや取引手数料の影響を受けるため、取引回数が増えるほどコストも積み重なりやすくなります。
必要以上に頻繁な売買を繰り返さないことも、コスト管理の一つです。
注文前にスプレッドを確認する
相場急変時などには、通常よりスプレッドが広がる場合があります。
注文する前に、実際に提示されている買値と売値を確認しましょう。
長期保有では調整額を確認する
数日以上ポジションを保有する場合は、保有中にどのような調整額が発生する可能性があるのかを確認しましょう。
保有期間が長くなるほど、調整額の累積が損益に影響する場合があります。
CFDのスプレッド・手数料についてよくある質問
CFDの取引手数料は無料ですか?
CFD会社や商品によって異なります。
取引手数料が無料の商品もありますが、スプレッドや保有中の調整額などが関係する場合があります。
そのため、取引にかかる条件を総合的に確認することが重要です。
CFDのスプレッドは固定ですか?
必ずしも固定ではありません。
市場の流動性や相場状況、重要イベントなどによって、スプレッドが変動したり通常より広がったりする場合があります。
具体的な提示方法はCFD会社によって異なります。
CFDは保有しているだけでも費用がかかりますか?
商品や保有方法によっては、ポジションを持ち越すことで金利などに関連する調整額が発生する場合があります。
また、商品によっては価格調整額や権利調整額が関係する場合もあります。
なお、調整額は必ず支払いになるとは限りません。
CFD会社はスプレッドだけで選べばよいですか?
スプレッドだけで選ぶのは十分ではありません。
取引手数料、保有中の調整額、最低取引数量、取引時間なども含めて、自分の取引方法に合っているかを確認することが重要です。
CFDとFXでは取引コストが違いますか?
FXでもスプレッドが主な取引コストの一つですが、CFDでは取引対象によって取引手数料や各種調整額が関係する場合があります。
そのため、CFDでは取引する商品ごとにコスト体系を確認することが重要です。
CFDとFXの取引対象やレバレッジ、取引コストなどの違いについては、
参考記事:「CFDとFXの違いとは?仕組み・レバレッジ・取引対象を比較」
で詳しく解説しています。
まとめ|CFDはスプレッドだけでなく総合的な取引条件を確認しよう
CFDでは、売買するときのスプレッドだけでなく、商品や取引方法によって取引手数料や各種調整額が関係します。
主なポイントをまとめると、
- スプレッドは買値と売値の差
- 商品によって取引手数料が発生する場合がある
- ポジション保有中に金利などに関連する調整額が発生する場合がある
- 先物価格を参照するCFDでは価格調整額が発生する場合がある
- 株式や株価指数では配当などに関連する調整額が発生する場合がある
- 調整額は支払いだけでなく受け取りになる場合もある
- 短期売買ではスプレッドや売買手数料を確認する
- 長期保有では保有中の調整額も確認する
といった点があります。
特に重要なのは、スプレッドや取引手数料の一つだけを見て判断しないことです。
CFD会社や商品を比較するときは、自分が実際に取引する銘柄・数量・保有期間を想定し、スプレッドや手数料、各種調整額を総合的に確認しましょう。

