CFDとFXは、どちらも価格の変動を利用して利益を狙う取引で、証拠金をもとにレバレッジを利用できるなど共通する部分があります。
そのため、
「CFDとFXは何が違うの?」
「FXをやっている人ならCFDも同じように取引できる?」
「自分にはどちらが合っている?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
CFDとFXの大きな違いは、取引する対象です。
FXでは主に米ドル/円などの通貨を取引するのに対し、CFDでは日経225やNASDAQ100などの株価指数、金・原油などの商品、CFD会社によっては個別株を対象とした株式CFDなども取引できます。
さらに、レバレッジや取引時間、取引コストなどにも違いがあります。
この記事では、CFDとFXの違いを、取引対象・仕組み・レバレッジ・取引時間・コスト・リスクなどから初心者向けにわかりやすく比較します。
CFDとFXの違いを一覧表で比較
CFDとFXの主な違いをまとめると、次のようになります。
| 比較項目 | CFD | FX |
|---|---|---|
| 主な取引対象 | 株価指数・商品・株式CFDなど | 通貨 |
| 損益の基本 | 価格差によって決まる | 価格差によって決まる |
| 買い・売り | どちらからも取引可能 | どちらからも取引可能 |
| レバレッジ | 商品区分などによって異なる | 国内個人向けFXは最大25倍 |
| 取引時間 | 銘柄によって異なる | 原則として平日は長時間取引可能 |
| 主なコスト | スプレッド・各種調整額など | スプレッド・スワップポイントなど |
| 主な値動きの要因 | 取引する銘柄によって異なる | 金利・景気・金融政策など |
| 取扱商品 | CFD会社によって大きく異なる | 各種通貨ペア |
CFDとFXには似ている部分もありますが、特に**「何を取引するのか」**によって性質が大きく変わります。
CFDとFXは取引する対象が違う
CFDとFXを比較するうえで、最も分かりやすい違いが取引対象です。
FXは通貨を取引する
FXでは、2つの通貨を組み合わせた「通貨ペア」を取引します。
代表的なものには、
- 米ドル/円
- ユーロ/米ドル
- ユーロ/円
- ポンド/円
- 豪ドル/円
などがあります。
例えば米ドル/円であれば、米ドルと円の交換レートが上昇するか下落するかを考えて取引します。
為替相場では、各国の金利や景気、インフレ、中央銀行の金融政策などが重要な材料になります。
CFDは株価指数・商品・株式CFDなどを取引する
CFDでは、株価指数や商品など幅広い金融商品の値動きを取引できます。
代表的なものには、
株価指数CFD
- 日経225
- NYダウ
- S&P500
- NASDAQ100
商品CFD
- 金
- 銀
- 原油
- 天然ガス
などがあります。
また、CFD会社によっては、日本株や米国株などの個別株を対象とした株式CFDを取り扱っている場合もあります。
実際に取引できる銘柄はCFD会社によって異なりますが、為替以外の市場にも取引対象を広げられることがCFDの大きな特徴です。
参考記事:「商品CFDとは?金・原油などを取引する仕組みを解説」
CFDとFXの取引の仕組みは似ている
取引対象は異なりますが、CFDとFXの基本的な取引方法には共通する部分があります。
どちらも基本的には、新規取引時と決済時の価格差によって損益が決まる取引です。
また、
価格が上昇すると予想する → 買い
価格が下落すると予想する → 売り
というように、買い・売りのどちらからでも取引できます。
そのため、上昇相場だけでなく下落相場も取引機会になる可能性があります。
仕組みの面ではFXも差金決済取引の一つと考えられますが、国内の金融サービスでは一般的に「FX」と「CFD」は別の商品・サービスとして扱われています。
CFDとFXのレバレッジの違い
CFDとFXは、どちらも証拠金をもとにレバレッジを利用できます。
ただし、利用できるレバレッジには違いがあります。
FXのレバレッジ
日本国内で個人がFXを取引する場合、最大レバレッジは25倍です。
レバレッジ25倍の場合、取引金額に対して最低4%の証拠金が必要になる計算です。
ただし、最大25倍まで利用できるからといって、常に最大近くまでレバレッジをかける必要はありません。
レバレッジが高くなるほど、少しの値動きでも口座資金に対する損益が大きくなります。
CFDのレバレッジ
CFDでは、取引する商品の種類によってレバレッジが異なります。
例えば、
- 株価指数CFD
- 商品CFD
- 株式CFD
では、適用される証拠金率や最大レバレッジが同じとは限りません。
具体的な取引条件についても、CFD会社や銘柄ごとに確認する必要があります。
そのため、「CFDは最大何倍」と一つの数字だけで考えるのではなく、取引したい商品の区分や銘柄ごとに条件を確認することが重要です。
レバレッジが高いほど利益が出やすいわけではない
レバレッジは、少ない証拠金でより大きな金額を取引できる仕組みです。
相場が予想した方向へ動けば利益が大きくなる可能性がありますが、反対方向へ動けば損失も大きくなります。
つまり、
レバレッジが高い=勝ちやすい
という意味ではありません。
CFDでもFXでも、取引できる最大額ではなく、自分が許容できる損失額を考えて取引量を決めることが大切です。
CFDとFXの取引時間の違い
CFDとFXでは、取引できる時間にも違いがあります。
FXの取引時間
FXは世界各地の外国為替市場で取引が行われているため、原則として平日は長い時間帯で取引できます。
日本時間の昼間だけでなく、欧州時間やニューヨーク時間にも取引可能です。
ただし、具体的な取引開始・終了時間やメンテナンス時間はFX会社によって異なります。
CFDは銘柄によって取引時間が異なる
CFDでは、取引する銘柄によって取引時間が異なります。
例えば、
- 日経225
- 米国株価指数
- 金
- 原油
- 個別株を対象とした株式CFD
では、それぞれ取引可能な時間帯が異なる場合があります。
平日の長い時間帯で取引できる銘柄もありますが、CFDだからすべての銘柄を同じ時間に取引できるわけではありません。
取引したい銘柄が決まったら、利用するCFD会社の取引時間を確認しましょう。
CFDとFXの取引コストの違い
CFDとFXでは、どちらも取引にコストがかかります。
代表的なものがスプレッドですが、ポジションを保有することで発生するコストなどには違いがあります。
どちらもスプレッドが取引コストになる
CFDとFXでは、買値と売値の間に差が設けられていることがあります。
この差をスプレッドと呼びます。
スプレッドが広いほど、取引開始時の実質的なコストも大きくなります。
実際のスプレッドは、会社や銘柄、相場状況などによって異なります。
FXではスワップポイントが発生する場合がある
FXでは、通貨間の金利差などをもとにスワップポイントが発生する場合があります。
保有する通貨ペアや売買方向によって、スワップポイントを受け取れる場合もあれば、支払いになる場合もあります。
ポジションを長く保有する場合には、スプレッドだけでなくスワップポイントも確認する必要があります。
CFDでは各種調整額が発生する場合がある
CFDでは、銘柄や取引サービスによって、
- 金利調整額
- 価格調整額
- 権利調整額
などが発生する場合があります。
どの調整額が関係するかは取引する商品によって異なります。
そのため、CFD会社を比較する際には、スプレッドだけでなくポジションを保有することで発生する可能性があるコストも確認しておきましょう。
CFDとFXでは価格が動く要因も違う
CFDとFXは取引対象が異なるため、分析する材料にも違いがあります。
FXでは、各国の政策金利や経済指標、景気、中央銀行の金融政策などが通貨の値動きに影響します。
一方、CFDでは取引する銘柄によって注目する材料が変わります。
例えば、
株価指数
→ 景気・企業業績・金融政策など
金
→ 金利・米ドル・インフレ・地政学情勢など
原油
→ 世界の需給・産油国の動向・地政学情勢など
が価格変動の材料になることがあります。
CFDでは幅広い市場を取引できる一方、取引する銘柄ごとに値動きの要因を理解する必要がある点がFXとの違いの一つです。
CFDとFXで注意したいリスク
CFDとFXは、どちらも元本が保証された取引ではありません。
共通して特に注意したいのが、レバレッジによる損失の拡大です。
証拠金より大きな金額を取引できるため、相場が予想と反対方向へ動いた場合には、口座資金に対して大きな損失が発生する可能性があります。
また、一定の条件に達するとポジションを強制的に決済するロスカット制度がありますが、急激な相場変動などでは想定した価格で決済できない場合があります。
CFDではさらに、株価指数・金・原油・株式CFDなど、取引対象によって値動きの特徴が大きく異なる点にも注意が必要です。
どちらを取引する場合でも、過度なレバレッジを避け、余裕を持った資金管理を行うことが重要です。
CFDとFXはどちらを選べばよい?
CFDとFXのどちらが適しているかは、自分が何を取引したいのかによって考えると分かりやすくなります。
| FXが選択肢になりやすい人 | CFDが選択肢になりやすい人 |
|---|---|
| 米ドル/円などの通貨を取引したい | 日経225などの株価指数を取引したい |
| 為替市場を中心に分析したい | 金・原油などの商品を取引したい |
| 各国の金利や金融政策に注目したい | 株式CFDなどにも取引対象を広げたい |
| 通貨の強弱を利用して取引したい | FX以外の市場も取引したい |
CFDとFXのどちらが利益を出しやすいというものではありません。
為替市場を中心に取引したいならFX、株価指数や金・原油などにも取引対象を広げたいならCFDが選択肢になります。
金・銀・原油・天然ガス・銅・プラチナなど、商品CFDの中から取引対象を比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:「商品CFDの銘柄一覧|金・原油・銀・天然ガスなどを比較」
また、どちらか一方だけを選ぶ必要はなく、例えば米ドル/円はFX、日経225や金はCFDというように、取引対象によって使い分けることもできます。
ただし、取引する市場を増やすほど管理するポジションやリスクも増えるため、初心者が最初から多くの市場を取引する必要はありません。
CFDとFXの違いについてよくある質問
CFDはFXの一種ですか?
仕組みの面では、FXも価格差によって損益が決まる差金決済取引の一つと考えられます。
ただし、国内の金融サービスでは一般的に、通貨を取引する「FX」と、株価指数・商品・株式CFDなどを取引する「CFD」は別の商品・サービスとして扱われています。
CFDとFXではどちらが初心者向けですか?
一概にどちらが初心者向けとはいえません。
通貨を取引したいならFX、株価指数や金・原油などを取引したいならCFDが選択肢になります。
どちらの場合も、取引の仕組みやレバレッジによるリスクを理解してから始めることが重要です。
CFDとFXではどちらが少ない資金で始められますか?
必要な資金は、利用する会社、取引する銘柄や通貨ペア、取引数量などによって異なります。
そのため、CFDとFXのどちらが必ず少額で始められるとはいえません。
最低必要証拠金だけでなく、相場変動に備えた余裕資金も含めて考えましょう。
FX口座があればCFDも取引できますか?
利用する金融機関によって異なります。
FXとCFDの両方を提供している会社でも、CFDを利用するために別途口座開設や申込みが必要になる場合があります。
利用したい会社の口座体系や取引条件を確認しましょう。
まとめ|CFDとFXは取引対象や取引条件に違いがある
CFDとFXは、どちらも価格差によって損益が決まり、証拠金をもとにレバレッジを利用するなど共通する部分があります。
一方、主な違いをまとめると、
- FXは主に通貨を取引する
- CFDは株価指数・商品・株式CFDなど幅広い金融商品を取引できる
- 国内個人向けFXは最大25倍のレバレッジ
- CFDは取引する商品の種類によってレバレッジが異なる
- CFDは銘柄によって取引時間が異なる
- FXではスワップポイント、CFDでは各種調整額が発生する場合がある
- 価格が動く要因も取引対象によって異なる
といった点があります。
特に大きな違いは、FXは通貨を取引し、CFDは株価指数や商品、株式CFDなど幅広い市場を取引できることです。
どちらが優れているというものではなく、自分がどの市場を取引したいのかを考えて選ぶことが重要です。
また、CFD・FXのどちらもレバレッジによって損失が大きくなる可能性があります。
取引する場合は、商品ごとの仕組みやリスク、取引条件を理解し、無理のない資金で行いましょう。

