CFDでは、ポジションを当日中に決済せず、翌日以降まで保有できる商品があります。
ただし、翌日へ持ち越すと、商品によって金利調整額などが発生する場合があります。
また、保有期間中に先物の限月切り替えや配当などの権利に関する日をまたぐと、価格調整額や権利調整額が発生することもあります。
さらに、ポジションを保有している間は、価格変動や証拠金のリスクも続きます。
この記事では、CFDを翌日に持ち越すとどうなるのか、主な調整額やリスク、週末まで保有するときの注意点を初心者向けに解説します。
※調整額の名称・計算方法・発生条件・判定時刻などは、CFD会社や商品によって異なります。実際に取引する際は、利用する会社・銘柄の最新ルールを確認してください。
CFDを翌日に持ち越すとは?
CFDを翌日に持ち越すとは、当日中にポジションを決済せず、翌営業日以降まで保有を続けることです。
翌日への持ち越しを「オーバーナイト」と表現することもあります。
CFDでは、取引時間が終了したからといって、保有ポジションが必ず自動的に決済されるわけではありません。商品や取引ルールの範囲内で、翌営業日以降も保有を続けられる場合があります。
ただし、ポジションを保有している間は価格変動リスクが続き、商品によっては各種調整額が発生することがあります。
CFDの保有中に発生することがある主な調整額
CFDを保有していると、商品や保有期間によって調整額が発生する場合があります。
代表的なものは、
- 金利調整額
- 価格調整額
- 権利調整額
です。
ただし、この3つが毎日すべて発生するわけではありません。
それぞれ発生する理由やタイミングが異なります。
金利調整額
金利調整額は、CFDのポジションを保有することに伴って発生する金利相当の調整額です。
商品やCFD会社によっては、一定の判定時刻をまたいでポジションを保有すると、金利調整額が発生する場合があります。
金額や受け払いは、
- 商品
- 買い・売り
- 金利環境
- CFD会社の計算方法
などによって異なります。
そのため、買いなら必ず支払い、売りなら必ず受け取りになるとは限りません。
実際に持ち越す際は、利用する銘柄の金利調整額のルールを確認しましょう。
金利調整額が発生する仕組みや、受け取り・支払いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDの金利調整額とは?受け取り・支払いの仕組みを解説」
価格調整額
先物価格などを参照するCFDでは、参照する先物の限月が切り替わる際などに、価格調整額が発生する場合があります。
先物には満期となる時期があり、参照する限月を変更すると、新旧の先物価格に差が生じることがあります。
こうした価格差を調整する目的で用いられるのが価格調整額です。
そのため、価格調整額は、翌日に持ち越すたび毎日発生するものではありません。
対象となる商品や発生するタイミングは、CFD会社の商品仕様を確認する必要があります。
価格調整額と先物の限月・ロールオーバーとの関係については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDの価格調整額とは?先物・限月・ロールオーバーとの関係を解説」
権利調整額
株式や株価指数に関連するCFDでは、配当などの権利に関連して権利調整額が発生する場合があります。
対象となる権利に関する日をまたいでポジションを保有している場合などに、買い・売りの方向に応じた調整が行われることがあります。
権利調整額も、
- 対象商品
- 買い・売り
- 権利の内容
- CFD会社のルール
によって受け取り・支払いが異なる場合があります。
「配当がある銘柄を買えば必ず配当と同額を受け取れる」と単純に考えず、CFDの商品仕様を確認しましょう。
CFDの権利調整額と現物株の配当との違い、買い・売りでの受け取り・支払いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDの権利調整額とは?配当との関係・受け取り・支払いを解説」
CFDを翌日に持ち越すときの主なリスク
CFDを持ち越す場合は、調整額だけでなく、価格変動や証拠金についても注意が必要です。
保有中は価格変動リスクが続く
CFDのポジションを保有している限り、価格変動によって評価損益は変化します。
買いポジションで価格が下落すれば含み損が拡大する可能性があり、売りポジションでは価格上昇によって損失が増える場合があります。
つまり、翌日に持ち越すということは、翌日以降の値動きによるリスクも引き続き負うことを意味します。
取引できない時間帯の急変に注意する
CFDには、取引休止時間や市場休場日など、注文や決済ができない時間帯があります。
その間に重要な経済指標や金融政策、地政学ニュースなどが発生すると、取引再開時の価格が大きく変化する場合があります。
ポジションを持ち越す場合は、自分で決済できない時間帯があることも考慮しましょう。
含み損が増えると証拠金維持率が低下する場合がある
持ち越したポジションに含み損が発生すると、有効証拠金が減少し、証拠金維持率が低下する場合があります。
さらに価格が不利な方向へ動き、利用会社のロスカット基準に達すると、ポジションが強制的に決済される可能性があります。
そのため、持ち越す前には価格の見通しだけでなく、証拠金に対してポジションが大きすぎないかも確認することが重要です。
証拠金維持率の意味や計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDの証拠金維持率とは?計算方法・見方・ロスカットとの関係を解説」
CFDを土日まで持ち越すとどうなる?
金曜日にポジションを決済せず週末を迎えた場合、土日に取引できない商品では、ポジションを保有したまま決済できない時間帯が生じます。
週末に重要なニュースなどが発生しても、取引再開まで自分でポジションを決済できない場合がある点に注意が必要です。
週明けの価格ギャップに注意する
週末に相場を大きく動かす材料が発生すると、週明けの取引開始時に、前週の終値から離れた価格で始まる場合があります。
このような価格差をギャップと呼ぶことがあります。
価格が大きく離れて始まった場合、逆指値注文を設定していても、指定した価格どおりに約定しない可能性があります。
そのため、週末までポジションを持ち越す場合は、取引できない時間帯の価格変動リスクを考慮しておきましょう。
CFDの土日・祝日を含む取引時間については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDの取引時間とは?土日・祝日・夏時間・銘柄ごとの違いを解説」
CFDを持ち越す前に確認したいこと
CFDを翌日以降まで持ち越す前には、
- どの調整額が発生する可能性があるか
- 調整額の判定時刻・受け払いの条件
- ポジションサイズと証拠金維持率
- 翌日の重要な経済指標や金融政策イベント
- 週末や休場日をまたがないか
を確認しましょう。
調整額の発生条件は、CFD会社・商品によって異なります。
また、調整額を受け取れる場合でも、価格変動による損失がその金額を上回る可能性があります。
そのため、調整額だけでなく、価格変動と証拠金のリスクを含めて持ち越すか判断することが重要です。
CFDは当日決済と持ち越しのどちらがよい?
当日決済と持ち越しのどちらが一律に優れているとはいえません。
当日中にポジションを決済する取引では、商品によってはオーバーナイトに関係する調整額の対象にならない場合があります。
一方、翌日以降まで保有すれば中長期の値動きを取引対象にできますが、価格変動や調整額、証拠金、価格ギャップなどのリスクも続きます。
そのため、持ち越すかどうかは、自分の取引期間・目的と商品のルールを踏まえて判断することが重要です。
CFDの持ち越しについてよくある質問
CFDを翌日に持ち越すと必ずコストがかかりますか?
一律にはいえません。
調整額の種類や発生条件は、CFD会社・商品・売買方向などによって異なります。
CFDの調整額を受け取れる場合もありますか?
あります。
調整額の種類や商品、売買方向などによっては受け取りになる場合があります。
ただし、調整額を受け取れることと、取引全体で利益になることは同じではありません。
CFDを土日に持ち越すことはできますか?
ポジションを保有したまま週末を迎えられる商品はあります。
ただし、土日に取引できない商品では決済できない時間があり、週明けの価格ギャップにも注意が必要です。
CFDを長期間持ち続けてもよいですか?
保有期間だけで一律に判断することはできません。
長期保有では、価格変動だけでなく、各種調整額や証拠金状況、商品仕様なども確認する必要があります。
まとめ|CFDを持ち越すときは調整額と価格変動リスクを確認しよう
CFDでは、商品によって翌日以降までポジションを保有できます。
持ち越しでは金利調整額などが発生する場合があり、保有期間中の限月切り替えや配当などに伴って、価格調整額・権利調整額が発生することもあります。
また、保有中は価格変動や証拠金のリスクが続き、週末や休場日をまたぐ場合は価格ギャップにも注意が必要です。
調整額だけで判断せず、価格変動・証拠金・取引できない時間帯も含めて持ち越すか判断しましょう。
実際の発生条件や計算方法は会社・商品によって異なるため、最新の商品ルールを確認してください。

