CFDでは、商品によって価格調整額が発生する場合があります。
「価格調整額は何のためにある?」
「金利調整額とは何が違う?」
「受け取ったら利益になる?」
「先物の限月やロールオーバーとどう関係する?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
価格調整額は、主に先物価格などを参照するCFDで、参照する先物の限月を切り替える際に生じる価格差を調整するために発生することがある調整額です。
そのため、翌日に持ち越すことで発生することがある金利調整額とは、仕組みや発生するタイミングが異なります。
この記事では、CFDの価格調整額とは何か、先物の限月やロールオーバーとの関係、受け取り・支払いの考え方、コンタンゴ・バックワーデーションについて初心者向けに解説します。
※価格調整額の名称・対象商品・発生時期・計算方法・反映方法などは、CFD会社や商品によって異なります。実際に取引する際は、利用する会社・銘柄の最新の商品仕様を確認してください。
CFDの価格調整額とは?
CFDの価格調整額とは、主に先物価格などを参照するCFDで、参照する先物の限月を切り替える際の価格差を調整するために発生することがある調整額です。
先物には取引期限があるため、CFD会社が同じ銘柄を継続して提供する際に、参照する先物を次の限月へ切り替える場合があります。
このとき、新旧の先物価格が異なると、参照先を切り替えただけでCFD価格に差が生じることがあります。
その価格差に対応するために行われるのが価格調整です。
価格調整額は毎日の持ち越しで発生するものではない
価格調整額は、ポジションを翌日に持ち越すたび必ず発生するものではありません。
主に、参照する先物の限月が切り替わるなど、特定のタイミングで発生する場合があります。
そのため、
「CFDを1日持ち越したから価格調整額が発生する」
と一律に考えることはできません。
CFDを翌日以降まで保有したときに発生する調整額やリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDを翌日に持ち越すとどうなる?コスト・調整額・リスクを解説」
先物の限月とロールオーバーとは?
先物には取引期限があり、この期限に対応する月などを限月と呼びます。
同じ原油などを対象とする先物でも、期限の異なる複数の限月があります。
CFD会社が先物価格を参照する商品を継続して提供する場合、参照する先物を期限の近い限月から次の限月へ切り替えることがあります。
このような切り替えをロールオーバーと呼ぶ場合があります。
限月によって先物価格が異なる場合がある
異なる限月の先物は、必ず同じ価格になるわけではありません。
例えば、
- 旧限月:100
- 新限月:102
となっている場合があります。
この状態で参照先を100の先物から102の先物へ切り替えると、原資産そのものが2上昇したわけではないのに、CFD価格に2の差が生じることになります。
そのため、限月切り替えによる価格差に対応する調整が行われる場合があります。
CFDで価格調整額が発生する仕組み
参照する先物を次の限月へ切り替えるとき、新旧限月に価格差がある場合、その差に対応するため価格調整が行われることがあります。
実際の反映方法は会社・商品によって異なりますが、口座への加算・差し引きなどによって調整される場合があります。
価格調整額だけで利益・損失とは判断できない
価格調整額が口座に加算されても、それだけで利益が増えたとは判断できません。
反対に、差し引かれても、その金額だけで実質的な損失になったとは判断できません。
価格調整額は限月切り替えに伴う価格差と関係するため、ロールオーバー前後のCFD価格と価格調整額を合わせて確認することが重要です。
価格調整額は受け取り・支払いのどちらになる?
価格調整額は、買い・売り、旧限月と新限月の価格関係、CFD会社の調整方法などによって、口座への加算または差し引きになる場合があります。
そのため、
買いなら必ず支払い、売りなら必ず受け取り
という共通ルールではありません。
実際にポジションを保有している場合は、利用する商品の価格調整予定や反映方法を確認しましょう。
コンタンゴ・バックワーデーションと価格調整額の関係
先物では、期近と期先の価格関係を説明するときに、コンタンゴやバックワーデーションという言葉が使われます。
価格調整額を理解するうえでも関係する概念です。
コンタンゴとは?
コンタンゴとは一般に、期先の先物価格が期近の先物価格より高い状態です。
このような価格関係で限月を切り替える場合、新旧限月の価格差が価格調整に関係します。
バックワーデーションとは?
バックワーデーションとは一般に、期先の先物価格が期近の先物価格より低い状態です。
ただし、
コンタンゴ=必ず損、バックワーデーション=必ず利益
と単純に判断することはできません。
ポジションの売買方向やCFD会社の価格調整方法なども関係するためです。
価格調整額が発生することがあるCFDは?
価格調整額は、原油など先物価格を参照するCFDで関係することがあります。
ただし、同じ商品CFDでも商品設計はCFD会社によって異なり、価格調整額の有無や名称、反映方法も一律ではありません。
そのため、
「商品CFDなら必ず価格調整額が発生する」
と考えず、実際に取引する銘柄の商品仕様を確認することが重要です。
原油CFDの基本的な仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「原油CFDとは?WTI・ブレント原油の仕組みと特徴を初心者向けに解説」
価格調整額と金利調整額・権利調整額の違い
CFDでは、価格調整額以外にも金利調整額や権利調整額が発生する場合があります。
| 調整額 | 主に関係するもの |
|---|---|
| 価格調整額 | 先物の限月切り替えなど |
| 金利調整額 | ポジション保有に伴う金利相当の調整 |
| 権利調整額 | 配当などの権利 |
3つの調整額は、発生する理由やタイミングが異なります。
金利調整額については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDの金利調整額とは?受け取り・支払いの仕組みを解説」
権利調整額と配当との関係については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDの権利調整額とは?配当との関係・受け取り・支払いを解説」
CFDの価格調整額を確認するときのポイント
価格調整額が関係するCFDを取引するときは、
- 価格調整額の対象銘柄か
- どの先物を参照しているか
- ロールオーバーの予定日
- 買い・売りそれぞれの調整
- 価格調整額の反映方法
- 最新の商品仕様
を確認しましょう。
特に重要なのは、価格調整額だけで有利・不利を判断しないことです。
限月切り替えに伴うCFD価格の変化と、口座へ反映される価格調整額を合わせて確認しましょう。
CFDの価格調整額についてよくある質問
CFDを持ち越すと毎日価格調整額が発生しますか?
一律ではありません。
価格調整額は、先物の限月切り替えなど特定のタイミングで発生する商品があります。
価格調整額を受け取ったら利益ですか?
単純には判断できません。
価格調整額は限月切り替えによる価格差と関係するため、ロールオーバー前後のCFD価格と合わせて考える必要があります。
価格調整額と金利調整額は同じですか?
異なります。
価格調整額は主に先物の限月切り替えなど、金利調整額は主にポジション保有に伴う金利相当の調整と関係します。
すべてのCFDに価格調整額がありますか?
一律ではありません。
対象商品やCFD会社の商品設計によって、価格調整額の有無や仕組みは異なります。
まとめ|CFDの価格調整額は限月切り替えとセットで理解しよう
CFDの価格調整額は、主に先物の限月切り替えに伴う価格差を調整するために発生することがある調整額です。
価格調整額は毎日の持ち越しで発生するものではなく、限月切り替えなど特定のタイミングで関係する場合があります。
また、受け取りになったから利益、支払いになったから損失と単純に判断することもできません。
新旧限月の価格差、ロールオーバー前後のCFD価格、価格調整額をセットで確認することが重要です。
実際の対象銘柄や発生時期、反映方法は商品によって異なるため、取引する銘柄の最新の商品仕様を確認しましょう。

