CFDでは、証拠金を預けることで、**証拠金を上回る金額を取引できる「レバレッジ」**を利用できます。
例えば、10万円の証拠金で100万円分のポジションを持つ場合、レバレッジは10倍です。
レバレッジを利用すると取引金額の全額を用意する必要がない一方、大きなポジションを持つほど、相場が予想と反対方向へ動いたときの損失も大きくなります。
また、CFDの最大レバレッジはすべて同じではなく、株価指数CFD・商品CFD・株式CFDなど、取引対象によって異なります。
この記事では、CFDのレバレッジの仕組みや倍率、最大レバレッジと実効レバレッジの違い、損失が拡大するリスクについて初心者向けにわかりやすく解説します。
CFDのレバレッジとは?
レバレッジとは、一定の証拠金をもとに、その金額を上回る取引ができる仕組みです。
例えば100万円分のCFDを取引する場合でも、100万円すべてを用意する必要があるとは限りません。
必要な証拠金を預けることで、証拠金より大きな金額のポジションを持つことができます。
ただし、レバレッジは利益だけに作用するものではありません。
取引金額が大きくなれば、価格が予想と反対方向へ動いた場合の損失額も大きくなります。
レバレッジと証拠金の関係
レバレッジは、取引金額と証拠金の関係から考えることができます。
例えば、
100万円の取引 ÷ 10万円の証拠金 = 10倍
です。
同じ100万円分を取引する場合でも、レバレッジによって必要となる証拠金の目安は変わります。
| レバレッジ | 100万円分を取引する場合の証拠金の目安 |
|---|---|
| 5倍 | 20万円 |
| 10倍 | 10万円 |
| 20倍 | 5万円 |
レバレッジが高いほど、少ない証拠金で同じ金額のポジションを持つことができます。
しかし、
最低限必要な証拠金=安全に取引できる資金
ではありません。
必要証拠金ぎりぎりで大きなポジションを持つと、少しの価格変動でも口座資金への影響が大きくなるため注意が必要です。
CFDを始めるための最低資金や、必要証拠金と余裕資金の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:「CFDはいくらから始められる?少額取引の最低資金・必要証拠金を初心者向けに解説」
CFDのレバレッジ倍率は取引対象によって異なる
国内の個人向けCFDでは、取引対象によって必要な証拠金率が異なるため、最大レバレッジも異なります。
代表的な区分では、
- 株価指数CFD:最大10倍
- 商品CFD:最大20倍
- 株式CFD:最大5倍
となります。
株価指数CFDは最大10倍
個人向けの株価指数CFDでは、想定元本に対して10%以上の証拠金が必要となるため、最大レバレッジは10倍です。
日経225やS&P500などを対象とするCFDが代表例です。
参考記事:「株価指数CFDとは?仕組み・特徴・リスクを解説」
例えば100万円分の株価指数CFDを最大10倍で取引する場合、計算上は10万円の証拠金が必要になります。
商品CFDは最大20倍
個人向けの商品CFDでは、想定元本に対して5%以上の証拠金が必要となるため、最大レバレッジは20倍です。
金や原油などの商品CFDが代表例です。
100万円分を最大20倍で取引する場合、計算上は5万円の証拠金が必要になります。
ただし、すべての商品CFDで必ず20倍まで取引できるわけではありません。
参考記事:「商品CFDとは?金・原油などを取引する仕組みを解説」
株式CFDは最大5倍
個別株を対象とする個人向け証券CFDでは、想定元本に対して20%以上の証拠金が必要となるため、最大レバレッジは5倍です。
例えば100万円分の株式CFDを最大5倍で取引する場合、計算上は20万円の証拠金が必要になります。
このように、同じCFDでも取引対象によって最大レバレッジは異なります。
実際のレバレッジはCFD会社や銘柄でも確認する
ここで紹介した倍率は代表的な上限です。
実際の必要証拠金率や利用できる倍率は、CFD会社や銘柄によって異なる場合があります。
取引前には、利用するCFD会社の最新の取引条件を確認しましょう。
最大レバレッジと実効レバレッジの違い
CFDでリスクを考えるうえで重要なのが、
最大レバレッジと、実際に利用しているレバレッジは別
という点です。
最大レバレッジとは?
最大レバレッジとは、その商品や取引条件で利用できるレバレッジの上限です。
例えば最大10倍の株価指数CFDでも、必ず10倍で取引するわけではありません。
取引数量を抑えれば、実際に利用するレバレッジを低くすることができます。
実効レバレッジとは?
実効レバレッジとは、自分の口座資金に対して、実際にどの程度の規模のポジションを持っているかを見る考え方です。
考え方を簡略化すると、
実効レバレッジ = 保有ポジションの取引金額 ÷ 口座資産
でイメージできます。
例えば、口座資産100万円に対して100万円分のポジションを持っていれば約1倍、500万円分なら約5倍です。
なお、実際の表示方法や計算に使われる資産額の定義などは、CFD会社によって異なる場合があります。
最大10倍でも実効レバレッジを低くできる
口座資産が100万円ある場合を例にすると、次のようになります。
| 保有ポジションの取引金額 | 実効レバレッジの目安 |
|---|---|
| 100万円 | 約1倍 |
| 300万円 | 約3倍 |
| 500万円 | 約5倍 |
| 1,000万円 | 約10倍 |
最大レバレッジが10倍の商品でも、100万円の資金で100万円分だけ取引すれば、実効レバレッジは約1倍です。
つまり、リスク管理では、
「最大何倍まで利用できるか」より、「実際に口座資金の何倍を取引しているか」
を見ることが重要です。
レバレッジで利益・損失はどう変わる?
レバレッジを利用してポジションを大きくすると、同じ価格変動率でも損益額が大きくなります。
例えば、取引対象の価格が1%動いた場合を考えてみましょう。
| 取引金額 | 1%の値動きによる損益の目安 |
|---|---|
| 100万円 | 1万円 |
| 300万円 | 3万円 |
| 500万円 | 5万円 |
100万円分のポジションなら1%は1万円ですが、500万円分なら1%は5万円です。
つまり、レバレッジそのものが利益を生み出すのではなく、レバレッジを利用して大きなポジションを持つことで、同じ値動きでも損益額が大きくなるということです。
価格が予想した方向へ動けば利益になりますが、反対方向へ動けば同じように損失も大きくなります。
CFDでレバレッジを高くするリスク
実効レバレッジが高くなるほど、相場変動が口座資金に与える影響も大きくなります。
少しの値動きでも口座資金に対する損失が大きくなる
実効レバレッジが高いほど、小さな価格変動でも口座資金に対する損益の割合が大きくなります。
特に値動きの大きい銘柄では、ポジションサイズに注意する必要があります。
証拠金維持率が低下しやすくなる
大きなポジションを保有した状態で含み損が増えると、証拠金維持率が低下し、ロスカットに近づく場合があります。
特に実効レバレッジが高い状態では、口座資金に対する値動きの影響が大きくなるため注意が必要です。
CFDの必要証拠金や証拠金維持率、ロスカットの仕組みについては、
参考記事:「CFDの証拠金・ロスカットとは?仕組みを解説」
で詳しく解説しています。
急変時には損失が短時間で拡大することがある
株価指数や金、原油などは、経済指標や金融政策、地政学情勢などによって短時間で大きく動く場合があります。
実効レバレッジが高い状態では、このような急変による口座資金への影響も大きくなります。
重要イベントの前後などでは、通常より値動きが大きくなる可能性も考えておきましょう。
CFDのレバレッジを抑える方法
レバレッジのリスクを抑えるには、実際に保有するポジションの大きさを管理することが重要です。
取引数量を小さくする
同じ口座資金でも、取引数量を小さくすれば実効レバレッジを下げることができます。
取引できる最大数量ではなく、損失を管理できる範囲で取引数量を決めましょう。
必要証拠金ぎりぎりで取引しない
必要証拠金は、ポジションを保有するために必要となる資金の基準です。
必要証拠金ぎりぎりで取引すると、少しの含み損でも証拠金維持率が低下しやすくなります。
相場が予想と反対方向へ動くことも考えて、余裕資金を確保しておくことが重要です。
1回の取引で許容する損失額から取引数量を決める
取引数量を決める際は、
「何倍までレバレッジを使えるか」
から考えるのではなく、
「この取引でいくらまでなら損失を許容できるか」
から考える方法があります。
基本的には、
許容損失額を決める
↓
損切りまでの値幅を考える
↓
その範囲に収まる取引数量を決める
という順番です。
最大倍率を基準にするのではなく、損失額からポジションサイズを考えることで、レバレッジを過度に高くすることを防ぎやすくなります。
CFDのレバレッジについてよくある質問
CFDのレバレッジは何倍ですか?
国内の個人向けCFDでは、取引対象によって最大レバレッジが異なります。
代表的には、
- 株価指数CFD:最大10倍
- 商品CFD:最大20倍
- 株式CFD:最大5倍
です。
ただし、実際の必要証拠金率や利用できる倍率は、CFD会社や銘柄によって異なる場合があります。
レバレッジは自分で設定できますか?
CFDでは、必ずしも「5倍」「10倍」と倍率そのものを選択するわけではありません。
取引数量や口座資金によって、実際に利用するレバレッジが変わる場合があります。
同じ口座資金でも取引数量を小さくすれば、実効レバレッジを低くできます。
具体的な仕組みはCFD会社によって異なるため、利用するサービスの取引ルールを確認しましょう。
レバレッジが高いほど利益を出しやすいですか?
レバレッジが高いからといって、利益を出しやすくなるわけではありません。
大きなポジションを持てば利益額が大きくなる可能性がある一方、相場が予想と反対方向へ動いたときの損失額も大きくなります。
高レバレッジ=勝ちやすい
という意味ではありません。
CFDとFXではどちらのレバレッジが高いですか?
国内の個人向け店頭FXでは、最大レバレッジは25倍です。
一方、CFDでは取引対象によって最大倍率が異なり、代表的には株価指数CFDが最大10倍、商品CFDが最大20倍、株式CFDが最大5倍です。
そのため、「CFDは何倍」と一律に考えるのではなく、取引する商品の区分を確認する必要があります。
CFDとFXの取引対象やレバレッジ、仕組みの違いについては、
参考記事:「CFDとFXの違いとは?仕組み・レバレッジ・取引対象を比較」
で詳しく解説しています。
初心者は何倍のレバレッジにすればよいですか?
初心者に適したレバレッジを一律に「○倍」と決めることはできません。
取引する商品の値動き、口座資金、損切りまでの値幅、許容できる損失額などによって適切なポジションサイズは異なります。
最大倍率から考えるのではなく、許容できる損失額から取引数量を決めることが重要です。
まとめ|CFDでは最大倍率より実際のレバレッジ管理が重要
CFDでは、証拠金をもとにレバレッジを利用することで、取引金額の全額を用意せずに取引できます。
国内の個人向けCFDでは、代表的に、
- 株価指数CFD:最大10倍
- 商品CFD:最大20倍
- 株式CFD:最大5倍
となっています。
ただし、実際の必要証拠金率や取引条件はCFD会社や銘柄によって異なる場合があります。
CFDのレバレッジで特に重要なのは、最大レバレッジと実際に利用している実効レバレッジは別だということです。
最大10倍の商品でも取引数量を抑えれば、実効レバレッジを低くできます。
反対に、大きなポジションを持てば、小さな価格変動でも口座資金に対する損益は大きくなります。
そのため、
「最大何倍まで取引できるか」ではなく、「どの程度の損失まで許容できるか」
を基準に取引数量を考えることが重要です。
CFDを取引する際は、口座資金や損切りまでの値幅を確認しながら、無理のないポジションサイズを設定しましょう。

