国内のバイナリーオプション会社を比較するとき、
「どの会社の還元率が高いの?」
「還元率が高ければ勝ちやすいの?」
「損失発生口座割合とは何を意味するの?」
と気になる人もいるでしょう。
国内の個人向け店頭バイナリーオプションでは、各社が顧客損益に関する月次データを公表しています。
金融先物取引業協会の月次速報ページでは、楽天証券、GMOクリック証券、トレイダーズ証券、IG証券、GMO外貨、外為どっとコムの6社について、取引概要や顧客損益情報へのリンクがまとめられています。2026年8月18日時点では、2026年7月分が最新公表月です。
この記事では、顧客が支払った総額に対して顧客が受け取った総額の割合を、初心者にも分かりやすいように**「還元率」**と表記し、最新月だけでなく直近6か月・12か月の推移まで比較します。
なお、比較条件をできるだけそろえるため、原則としてFXを対象とするラダーオプションの数値を使用します。
ただし、各社で商品設計や利用者層、集計対象などが完全に同じとは限りません。特にIG証券の公表実績には法人口座も含まれています。したがって、還元率を単純な会社ランキングとして見るのではなく、過去の顧客損益を比較する参考値として確認してください。
バイナリーオプションの還元率とは?
公式には「顧客の支払総額に対する受取総額の割合」
本記事では分かりやすく「還元率」と呼びますが、これは各社共通の公式名称ではありません。
たとえば、
- 「総取引金額に対する総支払金額の割合」
- 「支払総額に対する受取総額の割合」
- 「顧客の支払総額に対する顧客の受取総額の割合」
などと表記されています。
GMOクリック証券では、総取引金額を顧客の購入金額の合計、総支払金額を途中売却による金額やペイアウト金額など顧客への支払金額の合計としています。楽天証券でも、支払総額を購入金額、受取総額をペイアウト代金や売却代金などの合計と定義しています。
還元率が高いほど顧客への支払割合が高い
たとえば、ある月の顧客全体について、
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 顧客の支払総額 | 1億円 |
| 顧客の受取総額 | 9,500万円 |
| 還元率 | 95% |
だったとします。
計算すると、
9,500万円 ÷ 1億円 × 100 = 95%
です。
つまり、その月は顧客が支払った総額の95%に相当する金額が、顧客全体へ支払われたことになります。
そのため、他の条件が同じであれば、還元率が高いほど、過去の顧客全体への支払割合が高かったと見ることができます。
ただし、還元率は個々の利用者の勝率や利益率を表す数字ではありません。
還元率100%・100%超は何を意味する?
還元率が100%なら、
顧客全体の支払総額と受取総額が同程度だった
ということです。
100%を超えれば、
その月は顧客全体の受取総額が支払総額を上回った
ことを意味します。
実際、GMO外貨のレンジオプションは2026年7月に109.11%、IG証券のFXバイナリーは2026年5月に103.3%となっています。
ただし、
「還元率100%超=その会社全体が赤字」
という意味ではありません。
ここで分かるのは、あくまで公表対象となるバイナリーオプション取引について、その月の顧客受取総額が顧客支払総額を上回ったということです。
国内バイナリーオプション6社の還元率を比較
まず、最新公表月である2026年7月を比較します。
| 会社 | 総支払割合(還元率) | 損失発生口座割合 |
|---|---|---|
| GMOクリック証券 | 95.14% | 75.18% |
| GMO外貨(ラダー) | 96.34% | 76.35% |
| 楽天証券 | 96.00% | 79.63% |
| トレイダーズ証券 | 97.99% | 72.25% |
| IG証券(FX) | 95.7% | 72.4% |
| 外為どっとコム | 92.07% | 72.72% |
GMOクリック証券、GMO外貨、楽天証券の数値は各社の2026年7月公表値です。 トレイダーズ証券、IG証券、外為どっとコムについても、各社公式月次実績で同じ数値が確認できます。
2026年7月だけを見ると、今回比較したFXラダーではトレイダーズ証券の97.99%が最も高くなっています。
ただし、この表だけで会社の優劣を決めることはできません。
各社で商品設計、購入価格、利用者層、集計条件などが異なるため、還元率の順位はあくまで参考として見る必要があります。
また、GMO外貨にはラダーとは別にレンジオプションがあり、2026年7月のレンジは109.11%でした。商品性が異なるため、上の6社比較には混ぜていません。
還元率は1か月だけでなく複数月で比較する
直近6か月の還元率を比較
2026年2月~7月のFXラダーを比較すると、次のようになります。
| 会社 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 6か月平均 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| GMOクリック証券 | 94.82% | 95.29% | 95.59% | 95.63% | 95.65% | 95.14% | 95.35% |
| GMO外貨 | 89.34% | 91.82% | 90.40% | 93.58% | 93.01% | 96.34% | 92.42% |
| 楽天証券 | 97.68% | 96.40% | 97.57% | 99.07% | 98.48% | 96.00% | 97.53% |
| トレイダーズ証券 | 98.06% | 98.49% | 99.57% | 95.19% | 97.81% | 97.99% | 97.85% |
| IG証券(FX) | 95.4% | 95.4% | 95.5% | 103.3% | 97.1% | 95.7% | 97.07% |
| 外為どっとコム | 91.22% | 93.75% | 94.66% | 95.92% | 96.63% | 92.07% | 94.04% |
GMOクリック証券、GMO外貨、楽天証券の月次値は各社公式資料によります。 トレイダーズ証券、IG証券、外為どっとコムについても各社公式資料を使用し、6か月平均は本記事で単純平均しています。
今回の6か月単純平均では、トレイダーズ証券、楽天証券、IG証券が比較的高い水準となっています。
一方、GMOクリック証券は今回確認した6か月すべてで94%台後半~95%台となっており、月ごとの差が比較的小さくなっています。
注意
6か月平均・12か月平均は、各月の公表割合を単純平均した参考値です。期間中の総取引金額と総支払金額を合算して計算した還元率ではありません。月ごとに取引金額が異なるため、両者は同じ意味ではありません。
直近12か月の推移も確認する
次に、2025年8月~2026年7月の12か月を確認します。
12か月分すべてを並べると見づらくなるため、ここでは、
- 12か月平均
- 最低
- 最高
- 変動幅
にまとめます。
| 会社 | 12か月平均 | 最低 | 最高 | 変動幅 |
|---|---|---|---|---|
| GMOクリック証券 | 94.88% | 92.35% | 96.65% | 4.30pt |
| GMO外貨 | 92.49% | 89.34% | 96.34% | 7.00pt |
| 楽天証券 | 96.90% | 95.41% | 99.07% | 3.66pt |
| トレイダーズ証券 | 97.19% | 94.71% | 99.57% | 4.86pt |
| IG証券(FX) | 95.92% | 90.8% | 103.3% | 12.5pt |
| 外為どっとコム | 93.55% | 91.22% | 96.66% | 5.44pt |
各社の2025年8月~2026年7月の公式月次値から、本記事で単純平均・最低値・最高値・変動幅を計算しています。GMOクリック証券、GMO外貨、楽天証券、トレイダーズ証券、外為どっとコムの期間データは各社公式資料で確認できます。 IG証券についても各月の公式PDFが公開されています。
平均還元率だけでなく月ごとのばらつきも見る
平均値だけでは、毎月の数字がどの程度変化したのかまでは分かりません。
たとえば楽天証券は、今回確認した12か月では95.41%~99.07%でした。
一方、IG証券のFXバイナリーは90.8%~103.3%となっており、今回確認した期間では楽天証券より月ごとの変動幅が大きくなっています。
そのため、
平均値が高いか
だけでなく、
今回確認した期間でどの程度ばらついていたか
も一緒に見ると、数字の特徴を把握しやすくなります。
なお、表の「変動幅」は単純に最高値-最低値を計算したものです。将来の安定性やリスクを示す統計指標ではありません。
損失発生口座割合とは?
その月に損失となった口座の割合
損失発生口座割合とは、その月に取引した口座のうち、月間通算損益がマイナスとなった口座の割合です。
GMOクリック証券、楽天証券、トレイダーズ証券なども、月中に取引した口座のうち月間損益がマイナスとなった口座として定義しています。
たとえば、
損失発生口座割合75%
なら、その月に取引した口座の75%が月間損益でマイナスだったという意味です。
還元率が高くても負けた口座が多いことがある
ここが還元率を見るときの重要なポイントです。
たとえばGMO外貨の2026年7月ラダーは、
還元率96.34%
に対して、
損失発生口座割合76.35%
でした。
つまり、
「顧客全体へどの程度支払われたか」
と、
「何%の口座が月間損失だったか」
は別の指標です。
そのため、還元率だけを見て「多くの利用者が利益を出している」と判断することはできません。
国内6社の損失発生口座割合を比較
最新の2026年7月と、直近6か月・12か月の単純平均を比較すると次のようになります。
| 会社 | 2026年7月 | 6か月平均 | 12か月平均 |
|---|---|---|---|
| GMOクリック証券 | 75.18% | 75.48% | 75.63% |
| GMO外貨 | 76.35% | 78.04% | 78.17% |
| 楽天証券 | 79.63% | 77.29% | 77.04% |
| トレイダーズ証券 | 72.25% | 71.22% | 70.83% |
| IG証券(FX) | 72.4% | 71.40% | 71.65% |
| 外為どっとコム | 72.72% | 69.66% | 71.97% |
各社公式月次データをもとに、本記事で単純平均しています。
ただし、
損失発生口座割合が低い会社ほど、自分も勝ちやすい
と考えることはできません。
会社によって利用者層、商品設計、購入価格、取引方法などが異なるためです。
還元率と損失口座率はセットで見る
還元率だけでは「勝ちやすさ」は判断できない
還元率は、過去に顧客全体へどの程度支払われたかを見るうえで重要な数字です。
しかし、自分自身が将来利益を出せるかどうかとは別です。
実際の損益には、
- 購入価格
- 権利行使価格
- エントリーするタイミング
- 判定時刻
- 途中売却
なども関係します。
損失口座率だけで会社を決めるのも避ける
損失発生口座割合についても、一つの数字だけで会社を評価するのは避けた方がよいでしょう。
たとえば、
- 多くの口座が少額の損失、一部の口座が大きな利益
- 少数の口座が大きな損失
では、集計された割合だけを見ても各口座の損益額の分布までは分かりません。
公表されているのは「損失となった口座の割合」であり、各口座がいくら利益・損失を出したのかまでは示していません。各社の公表資料も、口座割合と顧客全体の支払・受取割合を別々に掲載しています。
2つの数字を組み合わせて比較する
過去の顧客損益を見るという意味では、
還元率が高い
+
損失発生口座割合が低い
という状態は注目できる比較材料です。
ただし、これは将来の利益を保証する条件ではありません。
還元率と損失口座率を確認したうえで、購入価格や取扱商品、判定時刻などの取引条件も合わせて比較することが重要です。
総合的な会社比較については、
「国内バイナリーオプション会社を比較|還元率・取引条件から選び方を解説」
で紹介しています。
購入価格と必要勝率については、「バイナリーオプションの勝率・損益分岐」、
「バイナリーオプションの購入価格・スプレッドとは?」でも詳しく解説します。
6社それぞれの還元率・損失口座率の傾向
GMOクリック証券
GMOクリック証券は、今回確認した直近6か月では還元率が94%台後半~95%台で推移し、月ごとの差が比較的小さくなっています。
詳しくは、
「GMOクリック証券のバイナリーオプション『外為オプション』とは?還元率・特徴・取引ルールを解説」
で紹介します。
GMO外貨
GMO外貨のラダーは、2026年2月の89.34%から7月には96.34%となりました。一方、レンジは100%を超えた月もあり、ラダーとは異なる動きが見られます。
詳しくは、
「GMO外貨のバイナリーオプション『オプトレ!』とは?還元率・特徴・ラダーとレンジを解説」
で紹介します。
楽天証券
楽天証券は、今回確認した直近6か月では還元率が96.00%~99.07%で推移しました。
詳しくは、
「楽天証券のバイナリーオプション『らくオプ』とは?還元率・特徴・楽天ポイントを解説」
で紹介します。
トレイダーズ証券
トレイダーズ証券は、今回の直近6か月比較では還元率が比較的高い水準で推移しています。現在はラダーオプションのみ月次実績が掲載されています。
詳しくは、
「トレイダーズ証券のバイナリーオプション『みんなのオプション』とは?還元率・特徴・取引ルールを解説」
で紹介します。
IG証券
IG証券のFXバイナリーは、今回確認した12か月で90.8%~103.3%となっており、月による変動幅が比較的大きくなっています。また、公表実績には法人口座も含まれます。
詳しくは、
「IG証券のバイナリーオプションとは?還元率・特徴・FXや株価指数・商品を解説」
で紹介します。
外為どっとコム
外為どっとコムは、直近6か月では還元率が91.22%~96.63%で推移しました。
詳しくは、
「外為どっとコムのバイナリーオプション『外貨ネクストバイナリー』とは?還元率・特徴・取引ルールを解説」
で紹介します。
還元率を比較するときの注意点
過去の還元率は将来の結果を保証しない
還元率は、過去の顧客全体の取引結果です。
6か月や12か月にわたって高い数字が続いていても、今後も同じ水準が続くとは限りません。
また、自分自身が同じ結果を得られることを示す数字でもありません。
各社で商品・集計条件が完全に同じとは限らない
本記事では、できるだけFXラダーに条件をそろえて比較しています。
それでも、
- 商品設計
- 購入価格
- 利用者層
- 取引方法
- 集計対象
などは会社によって異なります。
たとえばIG証券の公表実績には法人口座が含まれ、GMO外貨にはラダーとは別にレンジオプションがあります。
そのため、
「還元率97%だから96%の会社より必ず優れている」
という単純な比較は避けた方がよいでしょう。
最新の公式データを確認する
還元率と損失発生口座割合は毎月更新されます。
金融先物取引業協会では、6社それぞれの最新顧客損益情報へのリンクをまとめています。月次速報ページは2026年8月17日に更新されています。
本記事の数値も今後変わるため、実際に会社を比較するときは各社の最新公式データも確認してください。
まとめ
国内バイナリーオプション会社を比較するときは、各社が公表している、
総支払割合(還元率)
と
損失発生口座割合
を確認する方法があります。
ただし、還元率が高い会社が、そのまま自分にとって「勝ちやすい会社」になるわけではありません。
還元率と損失発生口座割合は意味の異なる指標であり、各社の商品設計や利用者層などにも違いがあります。
そのため、
還元率と損失発生口座割合をセットで見る
最新1か月だけでなく複数月の推移を確認する
購入価格や取扱商品などの取引条件も合わせて比較する
という見方が重要です。
単純なランキングだけで判断するのではなく、各社が公表している顧客損益データを、会社選びの一つの参考材料として活用しましょう。
還元率だけでなく、取扱商品・通貨ペア・判定時刻・デモ対応なども含めて比べたい場合は、
「国内バイナリーオプション会社6社の比較」も参考にしてください。

