FXには、さまざまな取引スタイルがあります。
数秒から数分で売買するスキャルピング、1日の中で取引を完結させるデイトレード、そして数日から数週間ポジションを持つスイングトレードがあります。
スイングトレードは、短時間で何度も売買する方法ではなく、ある程度大きな相場の流れを狙う取引スタイルです。
そのため、チャートにずっと張り付けない人でも取り組みやすい面があります。
ただし、ポジションを長く持つ分、持ち越しリスクや週末の窓開け、経済指標、スワップポイントなどにも注意が必要です。
この記事では、FXのスイングトレードとは何か、初心者に向いているのか、メリット・デメリット、注意点をわかりやすく解説します。
FXのスイングトレードとは?
FXのスイングトレードとは、数日から数週間程度ポジションを保有し、ある程度大きな値幅を狙う取引スタイルのことです。
短時間で小さな値幅を狙うスキャルピングや、1日の中で取引を完結させるデイトレードとは違い、スイングトレードでは数日以上ポジションを持つことがあります。
たとえば、米ドル/円を買って、数日後に上昇したところで決済するような取引は、スイングトレードにあたります。
スイングトレードでは、1分足や5分足の細かい値動きよりも、日足や4時間足などを見て、相場の大きな流れを確認することが多くなります。
もちろん、エントリーのタイミングを考えるときに短い時間足を見ることもあります。
ただし、基本的には短時間の上下に振り回されるよりも、数日単位の流れを意識する取引方法です。
たとえば、上昇トレンドが続いている通貨ペアで、押し目を待って買うような取引が考えられます。
反対に、下降トレンドが続いている通貨ペアで、戻りを待って売るような取引もあります。
スイングトレードは、うまく流れに乗れれば大きな値幅を狙える可能性があります。
一方で、ポジションを持っている期間が長くなるため、相場変動のリスクも長く受け続けることになります。
そのため、初心者は「長く持てば楽に勝てる」と考えるのではなく、損切りラインや資金管理を決めたうえで取引することが大切です。
スイングトレードとスキャルピング・デイトレードの違い
スイングトレードを理解するには、スキャルピングやデイトレードとの違いを知っておくとわかりやすいです。
スキャルピングは、数秒から数分程度の短時間で売買を行い、小さな値幅を狙う取引方法です。
短時間で何度も取引することがあるため、素早い判断や注文操作が必要になります。
デイトレードは、1日の中で取引を完結させる取引スタイルです。
スキャルピングほど短時間で何度も売買するわけではありませんが、その日のうちに利確や損切りを行うことを目指します。
スイングトレードは、数日から数週間程度ポジションを持つ取引スタイルです。
1日の値動きだけでなく、数日以上の相場の流れを見ながら取引します。
簡単に整理すると、次のようになります。
・スキャルピング:数秒から数分程度で小さな値幅を狙う
・デイトレード:1日の中で取引を完結させる
・スイングトレード:数日から数週間程度ポジションを持つ
スイングトレードは、スキャルピングほど画面に張り付く必要は少なくなりやすいです。
また、デイトレードよりも大きな値幅を狙える場合があります。
ただし、ポジションを翌日以降も持ち越すため、経済指標や週末の窓開けなどの影響を受ける可能性があります。
スキャルピングの特徴については「FXのスキャルピングとは?初心者に向いているか注意点も解説」で詳しく解説しています。
デイトレードの特徴については「FXのデイトレードとは?初心者向けにメリット・デメリットを解説」で詳しく解説しています。
スイングトレードのメリット
スイングトレードのメリットは、短時間で何度も取引しなくてもよいことです。
スキャルピングのように、数秒から数分の値動きを見てすぐに判断する必要は少なくなります。
そのため、仕事や日常生活でチャートをずっと見られない人でも、比較的取り組みやすい場合があります。
また、スイングトレードでは、数日以上の流れを狙うため、1回の取引で大きめの値幅を狙えることがあります。
たとえば、数pipsではなく、数十pipsからそれ以上の値幅を目標にすることもあります。
狙う値幅が大きくなると、スプレッドやスリッページの影響はスキャルピングより相対的に小さくなりやすいです。
ただし、取引コストがまったく関係ないわけではありません。
また、スイングトレードでは、日足や4時間足などを使って相場の流れを考えやすいです。
短期的なノイズに振り回されにくく、トレンドを意識した取引をしやすい面があります。
さらに、ポジションを保有している間にスワップポイントが発生することもあります。
通貨ペアや売買方向によっては、スワップポイントを受け取れる場合があります。
ただし、反対にスワップポイントを支払う場合もあるため、必ず得になるわけではありません。
スイングトレードのメリットは、画面に張り付く時間を減らしやすく、大きな流れを狙いやすいことです。
ただし、その分、ポジションを持っている期間のリスク管理が重要になります。
スイングトレードのデメリット
スイングトレードのデメリットは、ポジションを長く持つ分、リスクを受ける時間も長くなることです。
数日から数週間ポジションを持つため、その間に経済指標、中央銀行イベント、要人発言、地政学リスクなどが起こる可能性があります。
相場が想定通りに動けば、含み益が大きくなることもあります。
しかし、反対に動けば、含み損が大きくなることもあります。
また、スイングトレードでは、含み損を見る時間が長くなりやすいです。
短期売買であればすぐに決済して終わる場面でも、スイングトレードでは数日間ポジションを持ち続けることがあります。
そのため、途中で不安になって感情的に決済してしまうこともあります。
反対に、損切りできずに「いつか戻る」と考えてしまうのも危険です。
さらに、週末をまたぐ場合は窓開けリスクがあり、ポジションを長く持つ場合はスワップポイントの影響も出てきます。
スイングトレードは、短期売買より落ち着いて取引しやすい面があります。
しかし、長く持つ分、持ち越しリスク、窓開けリスク、スワップポイント、含み損へのメンタル面などに注意する必要があります。
スイングトレードで注意すべき持ち越しリスク
スイングトレードでは、ポジションを翌日以降へ持ち越すことがあります。
そのため、持ち越しリスクに注意する必要があります。
持ち越しリスクとは、ポジションを持ったまま時間が経過することで、思わぬ相場変動に巻き込まれるリスクのことです。
たとえば、ポジションを持ったまま夜を越えたあと、海外時間に大きなニュースが出ることがあります。
また、重要な経済指標や中央銀行イベントをまたぐことで、為替レートが大きく動くこともあります。
デイトレードでは、その日のうちに決済することで、翌日以降のリスクを抑えやすくなります。
一方、スイングトレードでは、ポジションを持っている期間が長いため、こうしたイベントの影響を受けやすくなります。
特に、米雇用統計、CPI、FOMC、日銀会合、ECB理事会、BOE政策金利発表、RBA政策金利発表などは注意が必要です。
スイングトレードをする場合は、ポジションを持つ前に、今後の経済指標や重要イベントの予定を確認しておくことが大切です。
経済指標や中央銀行イベントをまたいでポジションを持つ場合のリスクや、発表直後の相場急変・スリッページ・ポジションサイズの管理については「FXの相場急変リスクとは?経済指標前後のポジション管理と注意点を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
また、重要イベントをまたぐ場合は、ロットを小さくする、損切りラインを確認する、いったん決済するなどの対応も考えられます。
スイングトレードは、持ち越すことを前提にした取引スタイルです。
だからこそ、持ち越しリスクを理解したうえで取引する必要があります。
スイングトレードと週末の窓開けリスク
スイングトレードでは、数日から数週間ポジションを保有するため、週末をまたぐことがあります。
そのため、週明けの窓開けリスクにも注意が必要です。
窓開けとは、金曜日の取引終了付近の価格と、週明けの取引開始時の価格に大きな差ができることです。
FX市場が通常取引を休止している週末にも、政治・地政学的な出来事や金融不安、要人発言などが発生することがあります。その影響によって、月曜日に前週末の価格から大きく離れて取引が始まる場合があります。
窓開けの仕組みや、なぜ週明けに価格が飛ぶのかについては「FXの窓開けとは?週明けに価格が飛ぶ理由と注意点」で詳しく解説しています。
スイングトレードでポジションを持ったまま週末を越した場合、自分に不利な方向へ大きく窓を開くと、想定以上の損失が発生する可能性があります。
また、損切り注文を設定していても、設定した価格を飛び越えて週明けの取引が始まれば、想定していた価格より不利な価格で約定する場合があります。
週末にポジションを持ち越した場合の窓開けや、損切り注文が想定価格で約定しない可能性、ポジションサイズ・複数ポジション・実効レバレッジなどの資金管理については「FXで週末にポジションを持ち越すリスクとは?窓開け・週明けの注意点を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
スイングトレードとスワップポイントの関係
スイングトレードでは、スワップポイントも意識する必要があります。
スワップポイントとは、通貨ペアの金利差によって発生する損益のことです。
FXでは、ポジションを翌日以降へ持ち越すと、スワップポイントが発生することがあります。
スイングトレードでは数日から数週間ポジションを持つことがあるため、スワップポイントの影響を受けやすくなります。
通貨ペアや売買方向によっては、スワップポイントを受け取れる場合があります。
一方で、スワップポイントを支払う場合もあります。
たとえば、大抵の通貨ペアで、買いポジションではプラススワップでも、売りポジションではマイナススワップになります。
また、スワップポイントはFX会社や相場環境によって変わることがあります。
そのため、スイングトレードをする場合は、取引前にスワップポイントを確認しておくことが大切です。
特に、マイナススワップが発生する方向で長く保有すると、日々コストが積み重なることがあります。
値動きでは利益が出ていても、スワップポイントの支払いで利益が減る場合もあります。
反対に、スワップポイントを受け取れる方向であっても、為替レートが大きく逆行すれば損失になることがあります。
スワップポイントだけを目的にせず、為替レートの変動リスクもあわせて考えることが大切です。
スワップポイントの基本については「FXのスワップポイントとは?初心者向けに仕組みを解説」で詳しく解説しています。
スイングトレードに向いている人
スイングトレードに向いている人は、短時間の値動きに振り回されすぎず、ある程度大きな流れを見られる人です。
スイングトレードでは、数日から数週間の値動きを見て取引することがあります。
そのため、1分足や5分足の細かい上下に反応しすぎると、途中で不安になってしまうことがあります。
また、仕事や生活の都合で、ずっとチャートを見続けられない人にも向いている場合があります。
スイングトレードは、スキャルピングのように短時間で何度も売買する取引ではありません。
そのため、チャートを見る時間をある程度決めて、落ち着いて取引計画を立てやすい面があります。
さらに、事前に損切りラインや利確目標を決められる人にも向いています。
ポジションを長く持つほど、途中で相場が上下する場面は増えます。
そのたびに感情的に判断していると、取引が崩れやすくなります。
スイングトレードでは、最初に決めたルールを守る力が大切です。
また、経済指標や中央銀行イベントを確認できる人にも向いています。
ポジションを数日以上持つため、重要イベントをまたぐ可能性があるからです。
スイングトレードは、落ち着いて大きな流れを見たい人に合いやすい取引スタイルです。
ただし、損切りや資金管理を軽く考える人には向いていません。
スイングトレードに向いていない人
スイングトレードに向いていない人は、含み損を見るとすぐに不安になる人です。
スイングトレードでは、数日以上ポジションを持つことがあります。
その間に、相場が一時的に逆行することもあります。
小さな逆行ですぐに不安になってしまうと、計画通りの取引が難しくなります。
また、損切りができない人にも向いていません。
スイングトレードでは保有期間が長くなる分、損切りを先延ばしにすると含み損が大きくなる可能性があります。
「そのうち戻る」と考えて放置すると、資金を大きく減らす原因になります。
さらに、経済指標やニュースをまったく確認しない人にも注意が必要です。
スイングトレードでは、ポジションを持っている間に重要な経済指標や中央銀行イベントをまたぐことがあります。
何も確認せずに持ち続けると、急な相場変動に巻き込まれる可能性があります。
また、大きなロットで取引してしまう人にも向いていません。
スイングトレードでは、短期売買より損切り幅が広くなることがあります。
そのため、ロットが大きすぎると、損切りになったときの損失額も大きくなります。
スイングトレードは、チャートに張り付かなくてよい面があります。
しかし、放置してよい取引ではありません。
ポジションを持っている間は、相場変動リスクを受け続けていることを理解しておく必要があります。
初心者がスイングトレードを始める前に確認したいこと
初心者がスイングトレードを始める前には、いくつか確認しておきたいことがあります。
まず、損切りラインを決めておきましょう。
スイングトレードでは、ポジションを長く持つ分、相場が想定と逆に動くこともあります。
どこまで逆行したら損切りするのかを決めずに取引すると、含み損が大きくなってから判断に迷いやすくなります。
次に、ロットを大きくしすぎないことが大切です。
スイングトレードでは、損切り幅がスキャルピングやデイトレードより広くなることがあります。
同じロットでも、損切り幅が広くなれば、損失額も大きくなります。
また、経済指標や中央銀行イベントの予定を確認しましょう。
ポジションを数日以上持つ場合、その間に重要イベントをまたぐ可能性があります。
さらに、週末をまたぐかどうかも確認しておきたいポイントです。
週末をまたぐ場合は、窓開けリスクがあります。
不安定な相場環境では、無理に週末をまたがない判断も大切です。
最後に、スワップポイントも確認しておきましょう。
特に、マイナススワップが発生する方向で長く保有する場合は、日々コストが積み重なることがあります。
スイングトレードでは、値動きだけでなく、保有期間中に発生するリスクやコストも考える必要があります。
まとめ|スイングトレードは大きな流れを狙う取引スタイル
FXのスイングトレードとは、数日から数週間程度ポジションを持ち、ある程度大きな相場の流れを狙う取引スタイルです。
スキャルピングのように短時間で何度も売買する方法ではなく、デイトレードのようにその日のうちに必ず決済する方法でもありません。
スイングトレードは、日足や4時間足などを使いながら、数日以上の値動きを考える取引方法です。
メリットは、チャートに張り付く時間を減らしやすく、大きな値幅を狙える可能性があることです。
一方で、ポジションを長く持つため、持ち越しリスク、週末の窓開け、経済指標、スワップポイントなどに注意が必要です。
また、含み損を見る時間が長くなりやすいため、感情的にならないことも大切です。
初心者がスイングトレードをする場合は、損切りラインを決め、ロットを大きくしすぎず、重要イベントや週末のリスクを確認しておきましょう。
スイングトレードは、放置できる取引ではありません。
ポジションを持っている間は、相場変動リスクを受け続けていることを忘れないようにしましょう。
FXの基本用語をまとめて確認する
スイングトレードを理解するには、ポジション、含み益、含み損、損切り、ロット、スワップポイント、窓開けなどの基本用語もあわせて覚えておくと理解しやすくなります。
特に、スイングトレードではポジションを数日以上持つことがあるため、含み益・含み損やスワップポイント、持ち越しリスクの理解が大切です。
また、相場が想定と逆に動いたときに備えて、損切りラインを決めておくことも重要です。
FX初心者が最初に覚えておきたい基本用語については「FX初心者が覚えるべき基本用語まとめ」で詳しく解説しています。


