FXで損切りを設定するとき、
「損切りは何pipsにすればいいの?」
「10pipsや20pipsに固定すればいいの?」
と迷う初心者もいるでしょう。
しかし、FXの損切り幅には、すべてのトレードに共通する「○pipsが正解」という数字はありません。
通貨ペアや時間軸、相場の値動きによって、必要な損切り幅は変わります。
大切なのは、先にpips数を決めるのではなく、チャート上で「ここまで動いたらエントリーした根拠が崩れる」と考えられる場所を損切り位置にし、その結果として何pipsになるのかを確認することです。
そして損切り幅が決まったら、1回の許容損失額に収まるようにロットを調整します。
この記事では、FXの損切り幅は何pipsにすればよいのか、損切り位置の決め方やロットとの関係、初心者が注意したいポイントを解説します。
FXの損切り幅とは?
FXの損切り幅とは、エントリーした価格から損切りする価格までの値幅です。
損切りそのものの意味や必要性については「FXの損切りとは?」で詳しく解説しています。
一般的には「pips」を使って表します。
損切り幅はエントリー価格から損切り価格までの値幅
たとえば、米ドル/円を150.00円で買い、149.80円に損切りを設定したとします。
米ドル/円など、円が決済通貨となる通貨ペアでは、一般的に1pips=0.01円として考えます。
この場合は、
エントリー価格:150.00円
損切り価格:149.80円
損切り幅:20pips
となります。
つまり、損切り幅は「エントリー価格から損切り価格まで、どれくらい離れているか」を表したものです。
損切り幅だけで実際の損失額は決まらない
損切り幅が20pipsだからといって、すべてのトレードで同じ金額を失うわけではありません。
実際の損失額は、損切り幅だけでなく、取引数量や通貨ペアによっても変わります。
たとえば、同じ米ドル/円で20pipsの損切りを設定していても、1,000通貨で取引する場合と1万通貨で取引する場合では損失額が異なります。
そのため、資金管理では損切り幅とロットをセットで考えることが重要です。
FXの損切り幅は何pipsが目安?
FXの損切り幅は、10pipsや20pipsなどの固定した数字だけで決めるものではありません。
損切り幅に「必ず○pips」という正解はない
損切り幅は、エントリーした場所やチャートの形によって変わります。
値動きが大きい相場で損切り幅を極端に狭くすると、予想した方向へ動く前の一時的な値動きで損切りになることがあります。
反対に、必要以上に損切り幅を広げると、同じロットでは1回の損失額も大きくなります。
そのため、「何pipsにするか」を先に決めるのではなく、損切りすべき価格をチャートから考えることが基本です。
通貨ペア・時間軸・ボラティリティによって変わる
損切り幅は、通貨ペアや時間軸、相場のボラティリティによっても変わります。
同じ20pipsでも、値動きが小さい相場と大きく動いている相場では意味が異なります。
また、1分足などの短い時間軸と、4時間足や日足などの長い時間軸では、見ている値動きの大きさも違います。
短期取引では損切り幅が比較的狭くなることがありますが、長い時間軸では、より大きな値動きを想定して損切り幅が広くなる場合があります。
FXの損切り幅を決める基本的な考え方
損切り幅を決めるときに重要なのは、何pipsにするかではなく、どこで取引の根拠が崩れるかです。
エントリー根拠が崩れる場所を損切り位置にする
たとえば、
「上昇が続くと考えて買った」
のであれば、その上昇を想定した根拠が崩れる場所を損切り候補として考えます。
単に、
「20pips以上損したくないから20pipsで損切りする」
と決めるのではなく、
「ここまで下がったら、買った理由が崩れる」
という位置をチャートから考えます。
その損切り価格が決まったあとに、エントリー価格から何pips離れているのかを確認します。
直近の高値・安値を基準にする
初心者にも分かりやすい方法の一つが、直近の高値や安値を基準にする方法です。
買いの場合は、直近安値を下回ると上昇の想定が崩れる可能性があるため、その安値より下を損切り候補として考える方法があります。
反対に売りの場合は、直近高値より上を損切り候補として考えることがあります。
ただし、必ず直近高値・安値の外側に損切りを置けばよいという意味ではありません。
エントリーした根拠や相場の状況と合わせて判断する必要があります。
サポートライン・レジスタンスラインを基準にする
サポートラインやレジスタンスラインも、損切り位置を考える基準になります。
たとえば、サポートラインからの反発を根拠に買った場合、そのラインを明確に下抜けると、買いの根拠が弱くなることがあります。
その場合、サポートラインの下側を損切り候補として考える方法があります。
売りの場合は、レジスタンスラインを上抜けた場所を損切り候補として考えることができます。
重要なのは、ラインそのものではなく、「なぜその場所を超えたら取引の根拠が崩れるのか」まで考えることです。
買いと売りで損切り位置を考える具体例
損切り幅は、実際の価格で考えると分かりやすくなります。
買いでは直近安値の下を候補にする
たとえば、米ドル/円を150.00円で買うとします。
チャート上の直近安値が149.70円で、
「この安値を明確に下回ったら買いの根拠が崩れる」
と考え、149.65円を損切り位置にしたとします。
この場合、
150.00円-149.65円=0.35円
なので、損切り幅は35pipsです。
ここで重要なのは、「35pipsで損切りしよう」と先に決めたわけではないということです。
直近安値を基準に損切り価格を決めた結果、損切り幅が35pipsになっています。
売りでは直近高値の上を候補にする
売りの場合は反対です。
たとえば、米ドル/円を150.00円で売り、直近高値が150.30円だったとします。
「この高値を明確に上回ったら売りの根拠が崩れる」
と考え、150.35円に損切りを設定した場合、損切り幅は35pipsです。
買いでも売りでも、
エントリー根拠を確認する
→ 根拠が崩れる場所を考える
→ 損切り価格を決める
→ 何pips離れているか確認する
という考え方は同じです。
損切り幅とロットはセットで考える
損切り幅が決まったら、その幅に合わせてロットを考えます。
その前提となる**1回の許容損失額の決め方については「FXの許容損失は何%?1回の損失額と1%・2%ルールを初心者向けに解説」**で詳しく解説しています。
損失額を小さくしたいからといって、チャート上の損切り位置を無理に変更するのではなく、取引数量を調整することがポイントです。
損切り幅が広い場合はロットを小さくする
損切り幅が広いほど、同じロットで取引した場合の損失額は大きくなります。
そのため、同じ許容損失額に収めるなら、
損切り幅が広くなる
→ ロットを小さくする
という調整を行います。
たとえば、損切り幅が20pipsのトレードと50pipsのトレードでは、同じ損失額に抑えるためのポジションサイズは異なります。
ロットを増やすために損切り幅を狭くしない
「大きなロットで取引したいから、損切りを10pipsにしよう」
と決めると、本来のチャート上の根拠より近い場所に損切りを置くことになる場合があります。
また、損切り幅が狭いからといって、計算上持てる最大のロットを必ず使う必要もありません。
損切り位置をチャートから決め、その幅に合わせてロットを調整することが基本です。
許容損失額と損切り幅から実際の取引数量を計算する方法については「FXのロット計算方法|許容損失額と損切り幅からロットを決める方法を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
損切り幅と利確目標のバランスも確認する
損切り幅を決めるときは、利確目標までの距離も確認しましょう。
たとえば、
損切り幅30pips
利確目標60pips
なら、値幅ベースではリスク1に対してリターン2です。
損切り幅を必要以上に広げると、利確目標が同じ場合はリスクリワードも変わります。
そのため、損切り幅だけでなく、狙える利益とのバランスも確認することが大切です。
損切り幅と利確幅の比率や、リスクリワードと勝率の関係については「FXのリスクリワードとは?損益比率の計算方法と勝率との関係を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
取引スタイルによって損切り幅は変わる
損切り幅は、取引スタイルによっても変わる傾向があります。
同じ取引スタイルでも、通貨ペアや相場環境によって必要な損切り幅は変わります。
特に損切り幅が広くなる取引では、その分ロットを小さくして、1回の損失額を管理することが重要です。
FX初心者が損切り幅を決めるときの注意点
損切り幅を決めるときは、「できるだけ狭く」「できるだけ広く」と考えるのではなく、チャート上の根拠を基準にしましょう。
損失を避けたいから極端に狭くしない
損失額を小さくしたいからといって、損切り幅を極端に狭くすると、通常の値動きで損切りになる場合があります。
損失額を小さくしたい場合は、損切り位置を無理に近づけるのではなく、ロットを小さくする方法があります。
損切りしたくないから極端に広くしない
反対に、
「できるだけ損切りされたくない」
という理由だけで損切り幅を広げると、損切りになったときの損失額が大きくなる可能性があります。
損切り位置は、取引の根拠が崩れる場所を基準に考えることが基本です。
また、損切り位置はエントリー前に決め、含み損が出てから安易に遠ざけないようにしましょう。
損切りの必要性を理解していても、含み損になると「もう少し待てば戻るかもしれない」「損失を確定したくない」と考え、損切り位置を遠ざけてしまうことがあります。「FXで損切りできないのはなぜ?」では、損失回避やプロスペクト理論など、損切りを先延ばしにしてしまう心理を詳しく解説しています。
相場急変時は予定どおりの価格で損切りできないことがある
損切り注文を設定していても、実際の損失が計算どおりになるとは限りません。
経済指標の発表や急なニュースなどで相場が大きく動いた場合、指定した損切り価格より不利な価格で約定することがあります。
そのため、「30pipsで損切りを設定したから、必ず30pips以内の損失になる」とは限りません。
損切り幅は資金管理の重要な基準ですが、実際の約定価格まで保証するものではないことにも注意しましょう。
FXの損切り幅を決める5ステップ
損切り幅を決める流れを整理すると、次のようになります。
- エントリーする根拠を確認する
- その根拠が崩れる場所を考える
- 損切り価格を決める
- エントリー価格から損切り価格までの幅をpipsで確認する
- 許容損失額に収まるようにロットを計算する
この順番で考えることで、損切り幅を単なる固定数字ではなく、取引の根拠と資金管理をつなぐものとして考えやすくなります。
損切り幅だけでなく、1回の許容損失額やロット、損切り注文まで含めてルール化する方法については「FXの損切りルールの決め方|損切り基準・金額を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
まとめ|損切り幅は何pipsかを固定せずチャートから決めよう
FXの損切り幅に、すべてのトレードで共通する「○pipsが正解」という数字はありません。
基本的には、チャート上でエントリーの根拠が崩れる場所を損切り位置として考え、その結果として何pipsになるのかを確認するという順番です。
直近の高値・安値やサポートライン・レジスタンスラインなどは、損切り位置を考えるための基準として利用できます。
また、損切り幅が広くなる場合は、その分ロットを小さくして、1回の許容損失額に収まるように調整します。
初心者は、**「何pipsで損切りすればいいか」だけでなく、「なぜその場所で損切りするのか」**を説明できるようにすることが大切です。

