FXでは、利益がどれだけ出たかだけでなく、その途中で資金がどれくらい減ったのかを見ることも重要です。
たとえば、最終的に利益が出ていても、その途中で口座資金が大きく減っているなら、取っていたリスクも大きかった可能性があります。
そこで確認したいのが、ドローダウンです。
ドローダウンを見ることで、
資金のピークから、その後どのくらい減少したのか
を確認できます。
この記事では、FXのドローダウンとは何か、最大ドローダウンの意味や計算方法、何%を目安に考えるか、資金管理で確認するときのポイントを初心者向けに解説します。
FXのドローダウンとは?
FXのドローダウンとは、口座資金が一度つけたピークから、その後どの程度減少したのかを表すものです。
ドローダウンは資金のピークからどれだけ減ったかを表す
たとえば、口座資金が、
10万円
→ 12万円
→ 10万8,000円
と推移したとします。
この場合、資金のピークは12万円です。
その後10万8,000円まで減っているため、
12万円-10万8,000円=1万2,000円
のドローダウンが発生しています。
つまり、ドローダウンは単に「いくら負けたか」ではなく、一度増えた資金を含めたピークからどれだけ減ったかを見る考え方です。
ドローダウンと単純な損失額の違い
1回のトレードで発生した損失額と、ドローダウンは同じものではありません。
ドローダウンでは、資金のピークから、その後の安値までどこまで減ったかを確認します。
たとえば、10万円から11万円まで増えたあと、10万円まで減った場合は、
11万円 → 10万円
なので、ドローダウン額は1万円です。
最初の10万円から見れば資金は元の水準ですが、ピークからは1万円減っています。
最大ドローダウンとは?
最大ドローダウンとは、一定期間の資金推移の中で最も大きかったドローダウンのことです。
英語では「Maximum Drawdown」と呼ばれます。
たとえば、過去の取引で、
- 10%のドローダウン
- 15%のドローダウン
- 20%のドローダウン
が発生していれば、最大ドローダウンは20%です。
最大ドローダウンを見ることで、過去の取引で資金が最も大きく減った場面を確認できます。
FXのドローダウンを計算する方法
ドローダウンは、金額と割合の両方で確認できます。
ドローダウン額を計算する
ドローダウン額は、次のように計算します。
ドローダウン額 = 資金のピーク - その後の資金の安値
たとえば、
- 資金のピーク:12万円
- その後の安値:9万円
なら、
12万円-9万円=3万円
なので、ドローダウン額は3万円です。
ドローダウン率を計算する
割合で確認する場合は、次のように計算します。
ドローダウン率 =(資金のピーク-その後の安値)÷ 資金のピーク × 100
先ほどの例なら、
(12万円-9万円)÷12万円×100
となります。
計算すると、
3万円÷12万円×100=25%
なので、この場合のドローダウン率は25%です。
整理すると、
- ピーク時の資金:12万円
- その後の安値:9万円
- ドローダウン額:3万円
- ドローダウン率:25%
となります。
ドローダウンを見るときは、金額だけでなく、ピーク時の資金に対して何%減ったのかも確認すると分かりやすくなります。
最大ドローダウンの計算方法
最大ドローダウンを確認するときは、一定期間の資金推移の中で発生した複数のドローダウンを比較します。
たとえば、
- 10万円 → 9万円:10%
- 12万円 → 10万2,000円:15%
- 15万円 → 12万円:20%
という下落があったとします。
この中で最も大きいのは20%なので、
最大ドローダウンは20%
です。
つまり、最大ドローダウンは、一定期間における資金のピークから、その後の安値までの下落率のうち最も大きいものです。
FXでドローダウンを確認する理由
ドローダウンを見ると、利益額だけでは分からないリスクを確認できます。
利益だけではリスクの大きさが分からない
たとえば、最終的に同じ10万円の利益が出た2つの取引方法があったとします。
しかし、
- 最大ドローダウン10%
- 最大ドローダウン50%
では、利益に到達するまでに経験した資金減少の大きさが大きく異なります。
最終的な利益だけを見ると同じでも、途中で資金を大きく減らした方法の方が、より大きなリスクを取っていた可能性があります。
そのため、トレード結果を見るときは、利益とドローダウンをセットで確認することが大切です。
連敗したときの資金への影響を確認できる
ドローダウンが大きくなる要因の一つが連敗です。
1回の損失が小さくても、連続して負ければ資金は徐々に減少します。
また、1回あたりのリスクが大きければ、少ない連敗でもドローダウンが大きくなる場合があります。
連敗したときのロット管理や損失上限など、連続損失で資金を大きく減らさないための考え方については「FXで連敗したときの資金管理|ロット管理と連続損失への対処法を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
ドローダウンを見ることで、連敗したときに資金がどの程度減っているのかを確認できます。
ドローダウンが大きいほど資金回復が難しくなる
資金が大きく減るほど、元の金額へ戻すために必要な利益率は高くなります。
たとえば、10万円が5万円まで減った場合、資金は50%減っています。
しかし、5万円を10万円へ戻すには、
5万円を100%増やす
必要があります。
そのため、資金を大きく減らしすぎないことは、その後の回復という点でも重要です。
損失率ごとに元の資金まで戻すために何%の利益が必要なのか、資金が減ったあとに許容損失額やロットをどう見直すかについては「FXで損失から回復するには?ドローダウンと資金回復率を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
FXのドローダウンは何%までが目安?
ドローダウンについて、
「何%までなら大丈夫なの?」
と気になる方もいるでしょう。
しかし、すべてのトレーダーに共通する「○%までなら安全」という数字はありません。
許容できるドローダウンは、
- 1回の許容損失額
- 勝率
- リスクリワード
- 取引頻度
- 連敗の長さ
- 複数ポジションの有無
- 口座資金
- 自分が許容できるリスク
などによって変わります。
そのため、
「最大ドローダウンは10%以内なら安全」
などと一律に判断することはできません。
重要なのは、大きく資金が減ってから慌てて判断するのではなく、どの程度のドローダウンになったら取引結果や資金管理ルールを見直すのか、あらかじめ基準を考えておくことです。
ドローダウンを大きくしすぎないための資金管理
ドローダウンを完全になくすことはできませんが、資金管理によって大きくなりすぎるリスクを抑えることはできます。
確認したい主なポイントは、次のとおりです。
- 1回の許容損失を大きくしすぎない
1回の負けだけで資金を大きく減らさないように、事前に損失上限を決めます。
1回のトレードでどこまで損失を許容するか、1%・2%ルールなどの考え方については「FXの許容損失は何%?1回の損失額と1%・2%ルールを初心者向けに解説」で詳しく解説しています。 - 損切り幅に合わせてロットを調整する
損切り幅が広い場合は、損失額が許容範囲に収まるように取引数量を小さくします。
許容損失額と損切り幅から取引数量を決める方法については「FXのロット計算方法|許容損失額と損切り幅からロットを決める方法を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。 - 複数ポジションの合計リスクを確認する
1つずつのリスクが小さくても、複数のポジションが同時に損失になれば口座全体のドローダウンが大きくなる場合があります。
複数ポジションの想定損失を合計する方法や、同じ通貨への偏り・通貨ペアの相関によってリスクが重なるケースについては「FXで複数ポジションを持つリスクとは?通貨ペアの相関と合計リスクを初心者向けに解説」で詳しく解説しています。 - 連敗後にロットを急に大きくしない
損失を取り返そうとして取引数量を増やすと、さらに負けた場合にドローダウンが急拡大する可能性があります。
直前の勝ち負けだけで取引量を変更するのではなく、あらかじめ決めた資金管理ルールを基準にすることが大切です。
最大ドローダウンを見るときの注意点
最大ドローダウンの数字を見るときは、単純に割合だけを比較しないことも重要です。
過去の最大ドローダウンが将来の上限とは限らない
過去に最大ドローダウンが20%だったとしても、
「今後も20%以内に収まる」
という意味ではありません。
相場環境や取引方法が変われば、それまで経験していなかった大きなドローダウンが発生する可能性があります。
最大ドローダウンは、あくまで過去の資金推移から確認した最大下落として考えましょう。
少ないトレード回数だけで判断しない
取引回数が少なければ、大きな連敗をまだ経験していないだけという可能性もあります。
たとえば、短期間の少ない取引だけを見て最大ドローダウンが小さかったとしても、それだけで、
「この取引方法はリスクが小さい」
と判断することはできません。
取引回数や対象となる期間、経験した相場環境なども合わせて確認することが大切です。
含み損を含むかどうかを確認する
ドローダウンを比較するときは、何を基準に計算しているのかにも注意しましょう。
たとえば、
- 決済後の口座残高を基準にする
- 含み益・含み損を反映した有効証拠金やエクイティを基準にする
といった違いがあります。
含み損を含むかどうかによって、最大ドローダウンの数字が変わる場合があります。
FX会社や取引ツール、バックテスト結果などで最大ドローダウンを見る場合は、残高ベースなのか、含み損益を反映したエクイティベースなのかを確認することが重要です。
FXのドローダウンを確認する流れを5ステップで整理
初心者がドローダウンを確認する流れを整理すると、次のようになります。
- 口座資金のピークを確認する
- ピーク後に資金が最も減った地点を確認する
- ピークとの差からドローダウン額を計算する
- ピーク時の資金を基準にドローダウン率を計算する
- 過去の最大ドローダウンと自分の資金管理ルールを確認する
ドローダウンは一度確認して終わりではなく、定期的に確認し、以前よりドローダウンが大きくなっていないかを資金管理ルールと合わせて振り返るとよいでしょう。
まとめ|ドローダウンは利益と一緒に確認しよう
FXのドローダウンとは、口座資金が一度つけたピークから、その後どの程度減少したのかを表すものです。
ドローダウン率は、
(資金のピーク-その後の安値)÷資金のピーク×100
で計算できます。
また、一定期間の資金推移の中で最も大きかったドローダウンを最大ドローダウンといいます。
ただし、過去の最大ドローダウンが将来の損失上限になるわけではありません。
FXの取引結果を見るときは、利益がいくら出たかだけでなく、その利益に到達するまでに資金がどの程度減ったのかも確認することが大切です。
1回の許容損失やロット、連敗、複数ポジションなども合わせて管理し、大きなドローダウンにつながるリスクを抑えていきましょう。

