原油CFDとは?WTI原油を取引する仕組み・特徴・リスクを解説

CFD

原油価格の上昇や下落がニュースになると、

「原油CFDとは何?」
「WTI原油を実際に買うの?」
「原油価格が下がるときでも取引できる?」

と疑問に思う方もいるでしょう。

原油CFDは、WTI原油などの価格変動を取引する差金決済取引です。

現物の原油を保有せず、価格の上昇だけでなく下落も取引対象にできます。

一方、原油価格はOPECプラスの生産方針、原油在庫、世界景気、地政学情勢などによって大きく変動することがあり、レバレッジによる損失にも注意が必要です。

この記事では、原油CFDの仕組みやWTI原油、必要資金、レバレッジ、取引時間、コスト、価格が動く要因、主なリスクについて初心者向けに解説します。

原油CFDとは?

原油CFDとは、WTI原油などの原油価格の値動きを対象として取引するCFD(差金決済取引)です。

CFDは「Contract for Difference」の略で、新規取引時と決済時の価格差などによって損益が決まります。

原油価格の値動きを差金決済で取引する

原油CFDを買ったあとに原油価格が上昇し、高い価格で決済できれば、価格差に応じて利益が発生します。

反対に、買ったあとに価格が下落すれば損失になります。

実際の損益額は、価格の変動幅だけでなく、取引数量やCFD会社の商品仕様などによって異なります。

現物の原油を保有しない

原油CFDを取引しても、原油そのものを購入して保管するわけではありません。

WTIなどの原油価格を参照するCFD商品の値動きを取引するため、原油の輸送や保管を自分で行う必要はありません。

買い・売りの両方から取引できる

原油CFDでは、

原油価格が上昇すると予想する → 買い

原油価格が下落すると予想する → 売り

というように、価格の方向を予想して取引できます。

下落局面も取引対象にできますが、予想と反対方向へ価格が動けば損失が発生します。

証拠金を使ってレバレッジ取引できる

原油CFDでは、一定の証拠金を預けることでレバレッジを利用できます。

そのため、取引金額の全額を用意せずにポジションを持つことができます。

ただし、取引数量を大きくするほど、同じ価格変動でも損益額は大きくなります。

少ない証拠金で取引できることと、リスクが小さいことは同じではありません。

WTI原油とは?

原油CFDを調べると、よく目にするのがWTI原油です。

WTIは代表的な原油価格の指標

WTIは「West Texas Intermediate」の略で、米国を代表する原油価格の指標の一つです。

原油市場の動向を示す代表的な指標として利用されており、CFD会社でもWTI原油を対象とした商品が提供されています。

ニュースで「WTIが上昇した」「原油価格が下落した」と報じられることもあります。

原油にはWTI以外の指標もある

代表的な原油価格の指標には、WTIのほかにブレント原油などがあります。

WTIとブレントでは、産地や取引市場、需給環境などが異なるため、価格が完全に同じになるわけではありません。

原油CFDを取引するときは、「原油」という名称だけでなく、どの原油価格を参照する商品なのかを確認することが重要です。

参考記事:「WTI原油とブレント原油の違いとは?特徴・価格差・CFDでの選び方を解説

原油CFDと原油先物・原油ETFの違い

原油価格を取引・投資対象にする方法は、原油CFDだけではありません。

取引方法主な特徴
原油CFD原油価格の値動きを差金決済で取引する
原油先物原油を対象とする先物契約を取引する
原油ETF原油価格などへの連動を目指す上場商品を売買する

それぞれ、取引の仕組みやレバレッジ、取引時間、コストなどが異なります。

原油CFDと原油先物の違い

原油先物は、将来の一定時点を基準とした先物契約を取引する商品です。

先物には限月があります。

一方、原油CFDはCFD会社が提供する商品を取引します。

ただし、原油CFDの中には原油先物価格を参照する商品もあり、参照する限月が切り替わる際に価格調整などが行われる場合があります。

そのため、原油CFDではどの価格を参照している商品なのかを確認することも重要です。

参考記事:「原油CFDと原油先物の違いとは?仕組み・限月・レバレッジを比較

原油CFDと原油ETFの違い

原油ETFは証券取引所に上場している金融商品で、原油価格や原油先物などへの連動を目指す商品があります。

一方、原油CFDはCFD会社を通じて差金決済で取引します。

同じ原油を対象としていても、レバレッジ、売りからの取引、取引時間、コストなどに違いがあります。

参考記事:「原油CFDと原油ETFの違いとは?仕組み・コスト・選び方を比較

原油CFDはいくらから取引できる?

原油CFDを始めるために必要な資金は一律ではありません。

主に、

  • 原油価格
  • 最低取引数量
  • 1Lot・1枚あたりの取引単位
  • 証拠金率

などによって必要証拠金が変わります。

同じWTI原油を対象としていても、CFD会社によって最低取引数量や商品仕様が異なるため、

「原油CFDは必ず○円からできる」

とは一律に言えません。

また、必要証拠金はポジションを持つために必要となる資金であり、余裕を持って取引できる資金額を意味するものではありません。

価格が予想と反対方向へ動いた場合に備え、取引数量と口座資金のバランスを考えることが重要です。

参考記事:「原油CFDはいくらからできる?必要資金・証拠金を初心者向けに解説

原油CFDのレバレッジとは?

原油CFDでは、証拠金を利用してレバレッジ取引を行います。

レバレッジを利用すると、証拠金より大きな金額のポジションを持つことができます。

ただし、大きなポジションを持つほど、原油価格が同じ値幅動いた場合の利益・損失も大きくなります。

そのため重要なのは、

「最大何倍まで取引できるか」

だけではなく、

「口座資金に対して実際にどの程度のポジションを持っているか」

です。

最大倍率だけで取引数量を決めず、許容できる損失額や損切り幅も考えてポジションサイズを管理しましょう。

参考記事:「原油CFDのレバレッジとは?倍率・証拠金・リスクを初心者向けに解説

原油CFDの取引時間は?

原油CFDには、平日の長い時間帯で取引できる商品があります。

ただし、具体的な取引時間はCFD会社や商品によって異なります。

また、

  • 夏時間・冬時間
  • メンテナンス
  • 取引休止時間
  • 海外市場の祝日

などによって、通常とは異なるスケジュールになる場合があります。

「原油CFDは24時間いつでも取引できる」と考えず、実際に利用する商品の最新の取引時間を確認しましょう。

参考記事:「原油CFDの取引時間は?取引できる時間帯・夏時間・土日・注意点を解説

原油CFDの主な取引コスト

原油CFDでは、原油価格の値動きだけでなく、取引コストも確認する必要があります。

スプレッド

代表的なコストの一つが、買値と売値の差であるスプレッドです。

取引手数料を無料としているサービスでも、

取引手数料無料=取引コストがゼロ

という意味ではありません。

また、スプレッドは市場環境によって変化する場合があります。

各種調整額

原油CFDでは、商品によって各種調整額が損益に関係する場合があります。

特に原油先物価格を参照する商品では、参照する限月が切り替わる際に、価格差を調整する仕組みが設けられている場合があります。

商品によっては金利などに関連する調整額が発生することもあるため、名称や計算方法を含めて取引前に商品仕様を確認しましょう。

原油価格が動く主な要因

原油価格は、世界の需要と供給を中心にさまざまな材料から影響を受けます。

OPEC・OPECプラスの生産方針

OPECやOPECプラスの減産・増産方針は、原油の供給見通しに影響します。

一般的に減産は価格の上昇材料、増産は下落材料になる場合がありますが、市場が事前にどこまで織り込んでいるかによって実際の値動きは異なります。

米国の原油在庫

米国の原油在庫も、需要と供給を判断する材料の一つとして注目されます。

在庫が増えれば供給の多さ、減れば需給の引き締まりが意識される場合がありますが、在庫統計だけで価格の方向が決まるわけではありません。

世界経済と原油需要

原油は輸送や製造など幅広い経済活動で利用されるため、世界景気も需要見通しに影響します。

景気拡大は原油需要の増加、景気減速は需要の減少が意識される場合があります。

米国だけでなく、中国など主要な原油消費国の景気動向も注目されます。

地政学リスク・供給障害

中東情勢や戦争、経済制裁、石油施設への被害、海上輸送の障害などによって供給への不安が高まると、原油価格が急変する場合があります。

特に主要産油地域や輸送ルートに関するニュースには注意が必要です。

米ドルの動向

国際的な原油取引では米ドルが広く利用されるため、米ドルの動向も注目されます。

一般的にはドル高が原油価格の重し、ドル安が支えになる場合がありますが、需給や地政学情勢など他の材料も影響するため、必ず逆方向に動くわけではありません。

参考記事:「原油価格が動く要因とは?OPEC・在庫・ドル・地政学リスクを解説

原油CFDのデメリット・リスク

原油CFDを取引する前には、原油市場特有の値動きとCFDの仕組みによるリスクを理解しておきましょう。

原油価格は大きく変動することがある

原油価格は、OPECプラス、在庫統計、世界景気、地政学情勢などによって短時間で大きく動く場合があります。

また、

「原油価格が大きく下がったから、必ず元の価格まで戻る」

とは限りません。

価格水準だけではなく、その背景にある需給環境を確認することが重要です。

レバレッジによって損失が大きくなる

原油CFDでは、取引数量を大きくするほど価格変動による損益額も大きくなります。

特に原油価格が急変した場合は口座資金への影響も大きくなるため、必要証拠金ぎりぎりまでポジションを持たないことが重要です。

ロスカットでも損失を完全には防げない

含み損が増え、CFD会社が定める基準に達すると、ロスカットによってポジションが強制的に決済される場合があります。

ただし、急激な価格変動時には、想定していた価格より不利な価格で決済される可能性があります。

ロスカットがあるから損失額が必ず一定範囲に収まるわけではありません。

商品によって価格調整などの仕組みがある

原油CFDには、原油先物価格を参照する商品があります。

参照する先物の限月が切り替わる場合には、価格差を調整する仕組みが設けられていることがあります。

そのため、価格の上昇・下落だけでなく、利用する商品の価格形成や調整額の仕組みも確認しておきましょう。

原油CFDを取引する会社の選び方

原油CFDを取引する場合は、まずWTI原油などの商品CFDを取り扱っている会社を確認します。

主に比較したいのは、

  • 取扱原油銘柄
  • 最低取引数量・取引単位
  • 必要証拠金・レバレッジ
  • スプレッド・各種調整額
  • 取引時間
  • ロスカットルール
  • 取引ツール・スマホアプリ

などです。

同じWTI原油を対象としていても、必要資金や取引時間、商品仕様などが会社によって異なる場合があります。

一つの条件だけで決めず、自分の資金や取引方法に合った条件を総合的に比較することが重要です。

原油CFDを取り扱う証券会社ごとの取引条件やコスト、特徴については、以下の記事で比較しています。

参考記事:「原油CFDにおすすめの証券会社を比較|取引条件・コスト・特徴を解説

原油CFDについてよくある質問

原油CFDでは実際の原油を受け取りますか?

基本的に、原油CFDは現物の原油を受け取るための取引ではありません。

WTIなどの原油価格を参照するCFD商品の値動きを利用して差金決済を行います。

原油CFDはいくらからできますか?

必要資金は一律ではありません。

原油価格、最低取引数量、取引単位、証拠金率などによって異なります。

また、最低必要証拠金だけでなく、価格変動に備えた余裕資金も考える必要があります。

原油CFDは土日も取引できますか?

一般的な原油CFDでは、土日に通常取引することはできません。

平日の長い時間帯で取引できる商品がありますが、具体的な取引時間やメンテナンス時間、夏時間・冬時間などは会社によって異なります。

まとめ|原油CFDはWTIなどの原油価格を取引する差金決済取引

原油CFDは、実際の原油を保有せず、WTIなどの原油価格の値動きを利用して取引する差金決済取引です。

主なポイントは、

  • 現物の原油を保有せずに価格変動を取引できる
  • 買いだけでなく売りからも取引できる
  • 証拠金をもとにレバレッジを利用できる
  • 必要資金や取引時間はCFD会社・商品によって異なる
  • 原油先物を参照する商品では価格調整などが関係する場合がある
  • 原油価格はOPECプラス、在庫、世界景気、地政学情勢などの影響を受ける

といった点です。

原油CFDは原油価格の上昇・下落を取引対象にできる一方、原油価格の急変やレバレッジによって損失が大きくなる可能性があります。

原油価格の方向だけでなく、必要資金、レバレッジ、取引時間、コスト、商品仕様を理解したうえで取引を検討することが重要です。

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