FXの損大利小とは?利確が早く損切りが遅くなる原因と改善方法を解説

FXメンタル・トレード心理

FXで何度も勝っているのに、

「なぜか口座資金が増えない」

「小さく勝って、たまに大きく負けてしまう」

ということがあります。

このように、複数の取引を振り返ったときに、勝ったときの平均利益が小さく、負けたときの平均損失が大きくなっている状態は、「損大利小」と呼ばれることがあります。

たとえば、

平均利益:10pips

に対して、

平均損失:30pips

となっているような状態です。

損大利小になりやすい背景には、

  • 含み益が減るのが怖くて早く利確する
  • 損失を確定したくなくて損切りを遅らせる
  • 勝率を高くすることばかり意識する
  • 利益側と損失側で取引ルールを変える

といった行動があります。

ただし、平均損失が平均利益より大きいからといって、必ずトータルで負けるわけではありません。

FXでは、勝率・平均利益・平均損失を組み合わせて損益を考えることが重要です。

この記事では、FXの損大利小とは何か、利確が早く損切りが遅くなる原因、勝率が高くても負けることがある理由、損大利小を改善するための考え方を初心者向けに解説します。

FXの損大利小とは?

利益が小さく損失が大きい状態

損大利小とは、複数の取引を振り返ったときに、勝ったときの平均利益が小さく、負けたときの平均損失が大きくなっている状態を表します。

たとえば、

  • 平均利益:1,000円
  • 平均損失:3,000円

であれば、平均的には1回の負けによる損失が、1回の勝ちによる利益より大きくなっています。

ただし、1回だけ大きな損失が出たからといって、すぐに損大利小と判断する必要はありません。

ある程度の取引を振り返り、平均利益と平均損失にどのような傾向があるかを見ることが大切です。

利確が早く損切りが遅いと損大利小になりやすい

損大利小になりやすい代表的なパターンが、利益は早く確定する一方で、損失はなかなか確定しない状態です。

この状態が続くと、平均利益が小さく、平均損失が大きくなりやすくなります。

損大利小の反対は「損小利大」

損大利小の反対として、

損小利大

という言葉があります。

これは、損失を小さく抑えながら、利益を大きくする考え方です。

たとえば、

  • 平均損失:10pips
  • 平均利益:30pips

であれば、平均利益の方が大きくなっています。

ただし、損小利大にすれば必ず利益が出るわけではありません。

勝率との組み合わせによって、最終的な損益は変わります。

FXで損大利小になってしまう原因

含み益が減るのが怖くて早く利確する

含み益が出ると、

「利益がなくなる前に確定したい」

と感じることがあります。

本来40pipsの利益を狙っていたのに、10pipsで感情的に利確する取引が続けば、平均利益は小さくなりやすくなります。

早い利確そのものが問題なのではなく、相場状況ではなく「含み益が減るのが怖い」という理由だけで予定を変更することに注意が必要です。

含み益が減ることへの不安から予定より早く利益を確定してしまう心理については、
FXで利確が早いのはなぜ?チキン利食いになる心理と対策を解説」で詳しく解説しています。

損失を確定したくなくて損切りを遅らせる

反対に、含み損になると、

「ここで損切りしたら負けが確定してしまう」

「もう少し待てば戻るかもしれない」

と考えることがあります。

その結果、30pipsで損切りする予定だったのに、50pips、60pipsまで損失を広げれば、平均損失も大きくなりやすくなります。

利益は早く確定し、損失だけ長く抱える状態が続けば、損大利小につながりやすくなります。

損失を確定したくなくなり、予定していた損切りを先延ばしにしてしまう心理については、
FXで損切りできないのはなぜ?」で詳しく解説しています。

このように、利益が出ると早く確定したくなる一方で、損失が出ると確定を先延ばしにしたくなる心理は、プロスペクト理論から考えることもできます。

FXのプロスペクト理論とは?では、利益局面と損失局面で判断が変わりやすい理由を、損失回避・参照点などの考え方から詳しく解説しています。

勝率を高くすることを優先しすぎる

FX初心者は、

「たくさん勝てる手法ほど良い」

と考えることがあります。

もちろん、勝率は重要な指標の一つです。

しかし、小さな利益ですぐに利確して勝つ回数を増やす一方で、大きな損失をときどき出していると、勝率が高くてもトータルでは負ける場合があります。

重要なのは、

何回勝ったかだけではなく、勝ったときにどの程度利益が出て、負けたときにどの程度損失が出ているか

です。

利益側と損失側でルールを変えてしまう

たとえば、

利確60pips・損切り30pips

と決めていたとします。

それでも、含み益では予定より早く決済し、含み損では損切りを遠ざけてしまえば、当初の損益バランスは崩れます。

相場上の理由ではなく、利益側と損失側で感情によってルールを変えていないか確認することが大切です。

利確や損切りの基準を事前に決めていても、実際に含み益や含み損が発生すると、感情によって「今回だけは」とルールを変更してしまうことがあります。

FXでトレードルールを守れないのはなぜ?」では、決めたルールから外れてしまう原因と、ルールを守りやすくするための対策を詳しく解説しています。

損大利小だと勝率が高くても負けることがある

勝率だけではトレード成績を判断できない

たとえば10回取引して、

  • 7回勝ち
  • 3回負け

だったとします。

勝率は70%です。

一見すると、かなり勝っているように見えます。

しかし、

1回の平均利益:1,000円

1回の平均損失:3,000円

だった場合、

利益は、

1,000円 × 7回=7,000円

損失は、

3,000円 × 3回=9,000円

となります。

この場合、勝率70%でもトータルでは、

-2,000円

です。

つまり、勝率が高いだけでは利益が残るとは限りません。

リスクリワードが悪化する

リスクリワードは、損失と利益のバランスを考えるために使われます。

たとえば、

損切り30pips
利確60pips

を予定している場合、値幅ベースではリスク1に対してリターン2を狙っています。

しかし、実際には毎回10pips程度で利確しているのであれば、

損切り30pips
利確10pips

となり、最初に想定していたリスクリワードとは大きく異なります。

利確や損切りを変更するときは、取引全体の損益バランスがどう変わるのかも確認することが大切です。

損切り幅と利確幅のバランスや、勝率との関係については、「FXのリスクリワードとは?」で詳しく解説しています。

勝率と平均損益から期待値を確認する

損大利小だからといって、必ず期待値がマイナスになるわけではありません。

平均損失が平均利益より大きくても、それを補える勝率を維持できれば、トータルで利益が残る場合があります。

反対に、平均利益が平均損失より大きくても、勝率が低ければ損失が残る可能性があります。

そのため、勝率・平均利益・平均損失を組み合わせて期待値を確認することが重要です。

勝率と平均利益・平均損失からトレードの損益を考える方法については、「FXの期待値とは?計算方法と勝率・リスクリワードの関係を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。

自分が損大利小になっていないか確認する方法

平均利益と平均損失を確認する

まず、一定数の取引結果から、

  • 勝った取引の平均利益
  • 負けた取引の平均損失

を確認します。

たとえば、

平均利益:12pips

平均損失:28pips

であれば、平均損失の方が大きい状態です。

ただし、この数字だけで良し悪しを決めるのではなく、勝率も合わせて確認することが重要です。

また、取引ごとにロットが異なる場合は、pipsだけでなく実際の利益額・損失額も確認することが大切です。

たとえば、小さなロットで20pips勝ち、大きなロットで10pips負けた場合、pipsでは利益幅の方が大きくても、金額では損失の影響が大きくなることがあります。

ロットが大きく異なる場合は、口座資金に対して実際にどの程度の利益・損失が発生したのかまで確認しましょう。

計画した利確・損切りと実際の決済を比較する

損大利小になっている場合は、

最初からそのような損益構造の手法なのか

それとも、

計画していた利確・損切りを実際の取引で変更しているのか

を分けて考えることが重要です。

たとえば、

計画

  • 利確40pips
  • 損切り20pips

だったのに、

実際

  • 平均利益12pips
  • 平均損失28pips

となっているのであれば、計画と実際の決済にズレがあります。

その理由が、

  • 含み益が減るのが怖くて早く利確した
  • 損失を確定したくなくて損切りを遅らせた
  • 相場状況の変化を理由に決済を変更した

のどれなのかによって、改善すべき点は変わります。

数回の取引だけで判断しない

数回の取引だけでは、大きな利益や損失の影響を受けやすくなります。

そのため、

「3回取引したら平均損失の方が大きかった」

というだけで、すぐに手法全体を判断する必要はありません。

ある程度まとまった取引結果から、平均利益・平均損失・勝率がどのような傾向になっているのかを確認することが大切です。

FXの損大利小を改善するための対策

エントリー前に損切りと利確の両方を決める

損大利小を防ぐためには、エントリー前に、

どこで損切りするのか

だけでなく、

どこで利確するのか

も考えておきます。

ポジションを持ってから決めると、含み益や含み損によって判断が変わりやすくなります。

もちろん、相場状況が変化すれば予定を変更する場合もあります。

重要なのは、含み益・含み損を見たときの感情だけで毎回決済位置を変更しないことです。

エントリー前にリスクリワードを確認する

エントリーするときは、

  • 損切りまで何pipsあるか
  • 利確候補まで何pipsあるか

を確認します。

たとえば、

損切りまで30pips

なのに、

利確候補まで10pips

しかないのであれば、その条件で取引する価値があるのかを考える必要があります。

ただし、

「必ずリスクリワード1:2以上にする」

など、すべての手法に共通する適切な数字があるわけではありません。

勝率や手法の特徴と合わせて考えることが重要です。

損切りだけ広げて利確だけ早めない

特に注意したいのが、

利益側では予定より早く決済し、損失側では予定より長く保有する

状態です。

たとえば、

利確60pips・損切り30pips

という計画だったのに、

含み益が10pipsになると利確し、含み損が30pipsになると50pipsまで損切りを広げれば、当初の損益バランスは両側から崩れます。

損切りや利確を変更するときは、

「怖くなったから」

「損を確定したくないから」

ではなく、相場分析や事前に決めたルールに沿った理由があるかを確認しましょう。

許容損失額からロットを決める

損切りを遅らせてしまう原因の一つに、1回の損失額が大きすぎることがあります。

ロットが大きすぎると、少しの含み損でも金額が大きくなり、

「この損失を確定したくない」

という気持ちが強くなる場合があります。

そのため、

  1. 1回で許容できる損失額を決める
  2. 損切り幅を決める
  3. その損失額に収まるようロットを調整する

という順番で考える方法があります。

何pipsで損切りするかだけでなく、実際にいくら損するのかまで確認することが大切です。

許容損失額と損切り幅から適切なロットを求める方法については、
FXのロット計算方法|許容損失額と損切り幅からロットを決める方法を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。

「損小利大」にすれば必ず勝てるわけではない

損大利小を改善するときに、

「とにかく損失を小さくして利益を大きくすればよい」

と考えるのも注意が必要です。

利益目標を大きくしても、そこまで到達する確率が低ければ、トータルで利益が残るとは限りません。

大切なのは、損大利小・損小利大という形だけを見るのではなく、勝率・平均利益・平均損失を組み合わせた期待値で判断することです。

まとめ|損大利小は利確と損切りをセットで見直そう

FXの損大利小とは、複数の取引を振り返ったときに、勝ったときの平均利益が小さく、負けたときの平均損失が大きくなっている状態を表します。

損大利小になりやすい背景には、

  • 含み益が減るのが怖くて早く利確する
  • 損失を確定したくなくて損切りを遅らせる
  • 勝率を高くすることを優先しすぎる
  • 利益側と損失側でルールを変える

といった行動があります。

このように、損大利小の背景には、利益を失いたくない不安や、損失を確定したくない気持ちによって、利確や損切りの判断が変わってしまうことも関係します。

FXのメンタルとは?」では、損切りできない・利確が早いなど、感情によって取引判断が崩れやすくなる場面と、その対策をまとめて解説しています。

自分が損大利小になっていないか確認するときは、

  • 平均利益
  • 平均損失
  • 勝率
  • 計画した利確・損切り
  • 実際の利確・損切り
  • ロットが異なる場合は実際の損益額

まで確認しましょう。

改善するためには、

  • エントリー前に損切りと利確を考える
  • リスクリワードを確認する
  • 利確だけ早め、損切りだけ広げない
  • 許容損失額からロットを決める

といった方法があります。

ただし、損小利大にすれば自動的に勝てるわけではありません。

FXでは、利確と損切りを別々に見るのではなく、勝率・平均利益・平均損失を含めた取引全体の損益バランスを見ることが大切です。

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