FXを始めると、取引画面でチャートを見る機会が増えます。
しかし、初心者のうちは、
「チャートのどこを見ればいいのかわからない」
「ローソク足や時間足の意味がよくわからない」
「上がりそうなのか、下がりそうなのか判断できない」
と感じることも多いと思います。
FXチャートは、為替レートの動きを目で確認するためのものです。
現在の価格だけでなく、過去にどのように動いたのか、どの価格帯で止まりやすいのか、今の相場が上昇しやすいのか下落しやすいのかを考えるために使います。
ただし、チャートを見たからといって、未来の値動きを正確に当てられるわけではありません。
チャートは、相場を予言するためのものではなく、相場の流れを整理するための道具です。
この記事では、FX初心者向けに、チャートの基本的な見方、時間足、トレンド、高値・安値、サポートライン・レジスタンスライン、チャートを見るときの注意点をわかりやすく解説します。
チャートの見方は、テクニカル分析の基本になります。テクニカル分析全体の考え方を知りたい方は、「FXのテクニカル分析とは?」もあわせて参考にしてください。
FXチャートとは?
FXチャートとは、為替レートの動きをグラフで表したものです。
FXでは、米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、ユーロ/米ドルなど、さまざまな通貨ペアの価格が常に動いています。
その価格の動きを時間ごとに表示したものが、FXチャートです。
数字だけで現在の価格を見るよりも、チャートで値動きの流れを確認した方が、相場の状態をつかみやすくなります。
たとえば、チャートを見ると、
・最近は上昇が続いている
・大きく下落したあとに横ばいになっている
・同じ価格帯で何度も反発している
・前回の高値を超えられなくなっている
といったことを確認できます。
初心者のうちは、難しい分析をしようとするよりも、まずはチャートを見て「上がっているのか」「下がっているのか」「横ばいなのか」を確認することから始めましょう。
FXチャートで最初に確認する3つのポイント
FXチャートを見るときは、最初から細かい部分を見すぎないことが大切です。
まずは、次の3つを確認するとわかりやすくなります。
・どの通貨ペアを見ているか
・どの時間足を見ているか
・現在の価格がチャート上のどの位置にあるか
この3つを確認するだけでも、チャートの見方はかなり整理しやすくなります。
通貨ペアを確認する
最初に確認したいのは、どの通貨ペアのチャートを見ているかです。
FXでは、米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、ユーロ/米ドルなど、さまざまな通貨ペアがあります。
通貨ペアによって、値動きの特徴や注目される材料は変わります。
たとえば、米ドル/円なら米国の経済指標やFRBの金融政策、日本の金融政策などが意識されやすくなります。
ユーロ/円なら、ユーロ圏と日本の材料が関係してきます。
チャートを見るときは、まず画面上に表示されている通貨ペアを確認しましょう。
時間足を確認する
次に確認したいのが時間足です。
時間足とは、1本のローソク足がどれくらいの時間の値動きを表しているかを示すものです。
日足なら、1本のローソク足が1日の値動きを表します。
1時間足なら、1本のローソク足が1時間の値動きを表します。
同じ通貨ペアでも、日足で見るのか、1時間足で見るのかによって、チャートの印象は大きく変わります。
短い時間足では下がっているように見えても、日足では上昇トレンドの途中ということもあります。
反対に、短い時間足では上がっているように見えても、日足では下降トレンドの戻りにすぎないこともあります。
そのため、チャートを見るときは、必ず時間足を確認しましょう。
現在の価格がどの位置にあるかを見る
チャートでは、現在の価格だけでなく、その価格がチャート全体の中でどの位置にあるかを見ることが大切です。
たとえば、同じ150円でも、
・過去の高値付近にある150円
・過去の安値付近にある150円
・レンジの真ん中付近にある150円
では、意味が変わります。
過去の高値付近なら、上げ止まりやすい場所かもしれません。
過去の安値付近なら、下げ止まりやすい場所かもしれません。
レンジの真ん中付近なら、方向感がわかりにくい場面かもしれません。
現在の価格だけを見るのではなく、チャート全体の中でどの位置にあるのかを確認しましょう。
チャートの基本は価格・時間・ローソク足
FXチャートを見るうえで、まず覚えたい基本は、価格、時間、ローソク足です。
この3つを理解しておくと、チャートの見方がわかりやすくなります。
縦軸は価格、横軸は時間を表す
チャートの縦軸は価格を表しています。
上に行くほど価格が高く、下に行くほど価格が低くなります。
一方、横軸は時間を表しています。
左側が過去、右側が現在に近い値動きです。
チャートは、時間の流れに沿って右へ進んでいきます。
そのため、チャートを見るときは、左から右に向かって価格がどのように動いてきたのかを確認します。
ローソク足は一定時間の値動きを表す
FXチャートでは、ローソク足がよく使われます。
ローソク足は、一定時間の値動きを1本の足で表したものです。
日足なら1日分、4時間足なら4時間分、1時間足なら1時間分の値動きが1本のローソク足になります。
ローソク足を見ることで、その時間の中で価格が上がったのか、下がったのか、どこまで上がってどこまで下がったのかを確認できます。
ただし、ローソク足の細かい見方は奥が深いため、この記事では詳しく深掘りしません。
ここでは、ローソク足は「値動きを見るための基本」と考えておきましょう。
高値と安値を見ると値動きの流れがわかる
チャートを見るときは、高値と安値も重要です。
高値とは、価格が上がったあとに上げ止まった場所です。
安値とは、価格が下がったあとに下げ止まった場所です。
高値と安値を見ることで、価格がどこまで上がったのか、どこまで下がったのかがわかります。
また、高値と安値の位置を見ていくと、相場が上昇しているのか、下降しているのか、横ばいなのかも判断しやすくなります。
チャートで相場の流れを見る方法
FXチャートを見るときは、まず相場の流れを確認しましょう。
相場の流れは、大きく分けると次の3つです。
・上昇トレンド
・下降トレンド
・レンジ相場
この3つを見分けられるようになると、チャート全体の状況を整理しやすくなります。
なお、高値と安値の流れからトレンドを考える方法は、「ダウ理論とは?」の記事で詳しく解説しています。
上昇トレンド
上昇トレンドとは、価格が上がりやすい流れのことです。
チャートでは、高値と安値が少しずつ切り上がっている状態として見られることがあります。
簡単に言うと、前よりも高い位置で下げ止まり、前よりも高い価格まで上がっている状態です。
上昇トレンドでは、買いを考える人が多くなりやすく、押し目買いが意識されることがあります。
ただし、上昇トレンドだからといって、どこで買ってもよいわけではありません。
上がったあとに一時的に下がることもあるため、エントリーする場所は慎重に考える必要があります。
下降トレンド
下降トレンドとは、価格が下がりやすい流れのことです。
チャートでは、高値と安値が少しずつ切り下がっている状態として見られることがあります。
簡単に言うと、前よりも低い位置で上げ止まり、前よりも低い価格まで下がっている状態です。
下降トレンドでは、売りを考える人が多くなりやすく、戻り売りが意識されることがあります。
ただし、下降トレンド中でも、一時的に大きく反発することがあります。
下がっているからすぐ売るのではなく、どの価格帯まで戻したのか、どこで上げ止まりやすいのかを見ることが大切です。
レンジ相場
レンジ相場とは、価格が一定の範囲内で上下している状態です。
上昇トレンドや下降トレンドのように一方向へ進みにくく、同じような価格帯で反発を繰り返すことがあります。
レンジ相場では、上限付近で上げ止まりやすく、下限付近で下げ止まりやすいことがあります。
ただし、レンジを抜けると大きく動くこともあります。
そのため、レンジ相場では、どこが上限で、どこが下限なのかを確認することが大切です。
トレンドライン
チャートでは、上昇トレンドや下降トレンドを確認するときに、トレンドラインを使って相場の流れを整理することもあります。
トレンドラインの基本的な引き方は、「トレンドラインの引き方」の記事で詳しく解説しています。
価格が止まりやすい場所を見る
チャートを見るときは、価格が止まりやすい場所を確認することも大切です。
特に意識したいのが、高値、安値、サポートライン・レジスタンスラインです。
価格が止まりやすい場所を確認すると、エントリー、利確、損切りの位置を考えやすくなります。
高値は上げ止まりやすい場所になりやすい
高値とは、価格が上がったあとに上げ止まった場所です。
過去に何度も上げ止まっている価格帯は、再び意識されることがあります。
そのような場所では、買っていた人が利益確定をしたり、新しく売りを考える人が増えたりすることがあります。
そのため、高値付近では価格が上げ止まりやすいことがあります。
もちろん、高値を必ず超えられないわけではありません。
高値を上に抜けると、上昇が強まることもあります。
安値は下げ止まりやすい場所になりやすい
安値とは、価格が下がったあとに下げ止まった場所です。
過去に何度も下げ止まっている価格帯は、再び意識されることがあります。
そのような場所では、売っていた人が利益確定をしたり、新しく買いを考える人が増えたりすることがあります。
そのため、安値付近では価格が下げ止まりやすいことがあります。
ただし、安値を下に抜けると、下落が強まることもあります。
サポートライン・レジスタンスラインにつながる
高値・安値を確認すると、サポートライン・レジスタンスラインを考えやすくなります。
サポートラインとは、価格が下げ止まりやすい価格帯のことです。
レジスタンスラインとは、価格が上げ止まりやすい価格帯のことです。
過去に何度も反発している安値付近は、サポートラインとして意識されることがあります。
過去に何度も上昇を止められている高値付近は、レジスタンスラインとして意識されることがあります。
初心者は、まず難しいインジケーターを見るよりも、わかりやすい高値や安値を確認することから始めるとよいです。
FXチャートを見るおすすめ手順
FXチャートを見るときは、見る順番を決めておくと迷いにくくなります。
初心者のうちは、感覚でチャートを見るよりも、毎回同じ流れで確認するのがおすすめです。
ここでは、基本的な手順を紹介します。
大きな時間足で流れを見る
まずは、大きな時間足で相場の流れを確認します。
たとえば、日足や4時間足を見ると、短い時間足だけではわかりにくい大きな方向性を確認しやすくなります。
今の相場は上昇しやすい流れなのか。
下降しやすい流れなのか。
レンジになっているのか。
まずは、この大きな流れを確認しましょう。
初心者のうちは、いきなり5分足や15分足だけを見るよりも、日足や4時間足から見る方が相場を整理しやすくなります。
高値・安値を確認する
次に、高値と安値を確認します。
直近の高値はどこか。
直近の安値はどこか。
前回の高値を超えているのか。
前回の安値を割っているのか。
このように見ることで、相場の方向性がわかりやすくなります。
高値と安値は、トレンドを見るときにも、サポートライン・レジスタンスラインを考えるときにも重要です。
水平線を意識する
高値と安値を確認したら、水平線を意識します。
水平線とは、過去の高値や安値など、意識されやすい価格帯に横向きで引く線のことです。
水平線を見ることで、価格がどこで止まりやすいのか、どこを抜けると流れが変わりやすいのかを考えやすくなります。
ただし、水平線を引きすぎると、逆にチャートが見にくくなります。
最初は、何度も反発しているわかりやすい価格帯だけを意識しましょう。
エントリーするか見送るかを考える
最後に、エントリーする場面か、見送る場面かを考えます。
チャートを見たからといって、必ず取引する必要はありません。
むしろ、初心者のうちは「今はわかりにくいから見送る」という判断も大切です。
たとえば、
・トレンドがはっきりしない
・高値と安値の位置がわかりにくい
・レンジの真ん中付近にいる
・重要な経済指標の発表前で値動きが読みにくい
このような場面では、無理にエントリーしないことも大切です。
FXでは、取引しない判断もリスク管理の一つです。
初心者がチャートを見るときの注意点
FXチャートは便利ですが、見方を間違えると判断を誤ることがあります。
初心者が特に注意したいポイントを確認しておきましょう。
短い時間足だけで判断しない
初心者がよくやりがちなのが、短い時間足だけを見て判断することです。
5分足や15分足だけを見ると、細かい値動きに振り回されやすくなります。
短い時間足では上昇しているように見えても、日足や4時間足では下降トレンドの途中ということがあります。
反対に、短い時間足では下落しているように見えても、大きな流れでは上昇トレンド中の押し目ということもあります。
短い時間足を見る前に、大きな時間足で全体の流れを確認しましょう。
ローソク足1本だけで判断しない
ローソク足は大切ですが、1本だけで判断するのは危険です。
たとえば、大きな陽線が出たからといって、必ず上昇が続くとは限りません。
大きな陰線が出たからといって、必ず下落が続くとも限りません。
ローソク足は、前後の流れや、どの価格帯で出たのかをあわせて見ることが大切です。
1本の形だけではなく、チャート全体の中で意味を考えましょう。
インジケーターを入れすぎない
チャートには、移動平均線、MACD、RSI、ボリンジャーバンドなど、さまざまなインジケーターを表示できます。
しかし、初心者のうちから多くのインジケーターを入れすぎると、かえって判断が難しくなります。
ある指標は買いを示しているように見えるのに、別の指標は売りを示しているように見えることもあります。
最初は、ローソク足、時間足、トレンド、高値・安値、水平線など、基本的な見方を優先しましょう。
インジケーターは、あくまで補助として使うのがおすすめです。
重要な経済指標にも注意する
FXでは、チャートの形だけでなく、重要な経済指標にも注意が必要です。
たとえば、米雇用統計、CPI、FOMC、政策金利の発表などがあると、チャートの形とは関係なく大きく動くことがあります。
テクニカル分析では上がりそうに見えても、重要なニュースや経済指標によって急に下落することもあります。
特に大きな指標発表の前後は、値動きが荒くなりやすいため注意しましょう。
損切りラインを考えておく
チャートを見るときは、エントリーポイントだけでなく、損切りラインも考えておきましょう。
どれだけチャートの形が良く見えても、相場が思った方向と逆に動くことはあります。
買いで入るなら、どこを下回ったら損切りするのか。
売りで入るなら、どこを上回ったら損切りするのか。
事前に決めておくことが大切です。
損切りを考えずに取引すると、含み損が大きくなり、冷静な判断がしにくくなることがあります。
まとめ|FXチャートは相場の流れを整理するために見る
FXチャートは、為替レートの動きをグラフで確認するためのものです。
チャートを見ることで、現在の価格だけでなく、過去の値動き、トレンド、高値・安値、価格が止まりやすい場所を確認できます。
ただし、チャートを見れば必ず未来の値動きがわかるわけではありません。
チャートは、相場の流れを整理し、無理な取引を減らすために使うものです。
最初は時間足・トレンド・高値安値を覚えよう
初心者は、まず時間足、トレンド、高値・安値を覚えるのがおすすめです。
時間足で見る範囲を変える。
トレンドで相場の方向性を確認する。
高値・安値で価格が止まりやすい場所を考える。
この3つを意識するだけでも、チャートの見方はかなり整理しやすくなります。
水平線を意識するとチャートが見やすくなる
チャートを見るときは、水平線も意識しましょう。
高値は価格が上げ止まりやすい場所になりやすく、安値は価格が下げ止まりやすい場所になりやすいです。
そこからサポートライン・レジスタンスラインを考えることができます。
初心者は、まずわかりやすい高値や安値を確認し、意識されやすい価格帯を見つけることから始めるとよいです。
わかりにくい場面では見送ることも大切
FXでは、チャートを見ても方向がわかりにくい場面があります。
そのようなときに無理にエントリーすると、根拠の薄い取引になりやすくなります。
チャートを見る目的は、毎回取引することではありません。
今の相場がわかりやすいのか、わかりにくいのかを判断することも大切です。
まずは基本を覚えて、少しずつチャートを見る力を身につけていきましょう。

