ドルインデックスとは?DXYの構成通貨や見方、FX・ドル円への影響を初心者向けに解説

経済指標・ファンダメンタルズ

ドルインデックスは、米ドルが主要通貨に対して全体として強いのか、弱いのかを確認するための指数です。

為替ニュースでは、

  • ドルインデックスが上昇した
  • 米金利低下を受けてドル指数が下落した
  • ドル全面高になった

と表現されることがあります。

ドル円だけを見ても、米ドルが強いのか、日本円が弱いのかを区別しにくい場合があります。

そこでドルインデックスを確認すると、米ドルが複数の通貨に対して広く買われているのか、特定の通貨に対してだけ上昇しているのかを判断しやすくなります。

ただし、一般的なドルインデックスであるDXYは、ユーロの比重が大きい指数です。

ドルインデックスが上昇していても、円が米ドル以上に買われれば、ドル円が下落することがあります。

この記事では、ドルインデックスの基本、DXYの構成通貨と比率、上昇・低下の意味、米国債利回りとの関係、FX・ドル円への影響を初心者向けに解説します。

  1. ドルインデックスとは
    1. 米ドルの総合的な強弱を示す指数
    2. 一般的にドルインデックスはDXYを指す
    3. ドルインデックスはドル円とは異なる
  2. DXYの構成通貨と比率
    1. DXYは6通貨で構成されている
    2. ユーロの比重が大きい
    3. 豪ドルや中国人民元は含まれていない
  3. DXYと実効為替レートの違い
    1. 為替市場でよく使われるDXY
    2. 実効為替レートとは
  4. ドルインデックスの見方
    1. ドルインデックスが上昇する意味
    2. ドルインデックスが低下する意味
    3. 100を上回る・下回る意味
    4. 水準より方向と変化幅を確認する
  5. ドルインデックスが上昇・低下する主な理由
    1. FOMC・FRB発言による利上げ・利下げ観測
    2. 米国債利回り
    3. アメリカの経済指標
    4. ECBなど他国の金融政策
    5. 株価下落や金融不安
  6. ドルインデックスと米国債利回りの違い
  7. ドルインデックスとドル円の関係
    1. ドルインデックスとドル円の基本的な関係
    2. ドルインデックスとドル円が反対方向へ動く理由
    3. ドル円では日本側の材料も確認する
  8. ドルインデックスがFXの通貨ペアに与える影響
    1. ユーロドルとは反対方向へ動きやすい
    2. 米ドルの位置によって通貨ペアの見方が変わる
    3. 米ドル/カナダドルでは原油価格も確認する
    4. クロス円には間接的に影響する
  9. FX初心者がドルインデックスを確認する手順
    1. ドルインデックスの方向と数日間の流れを確認する
    2. 米国2年債・10年債利回りを確認する
    3. ドルインデックスが動いた理由を確認する
    4. 取引する通貨ペアの相手通貨を確認する
    5. ドルインデックスと通貨ペアの反応を比較する
  10. ドルインデックスに関するよくある質問
    1. ドルインデックスとDXYは同じですか?
    2. ドルインデックスにはどの通貨が含まれますか?
    3. ドルインデックスが上がるとドル円も必ず上がりますか?
    4. ドルインデックスとユーロドルが反対方向へ動きやすいのはなぜですか?
    5. ドルインデックスの100は何を意味しますか?
    6. ドルインデックスと米国債利回りは同じものですか?
  11. まとめ|ドルインデックスは米ドル全体の方向と動いた理由を確認しよう

ドルインデックスとは

ドルインデックスとは、複数の主要通貨に対する米ドルの総合的な強弱を示す指数です。

米ドルの総合的な強弱を示す指数

為替相場では、米ドルの価値を一つの通貨ペアだけで判断できません。

たとえば、ドル円が上昇している場合には、次の2つが考えられます。

  • 米ドルが複数の通貨に対して広く買われている
  • 日本円だけが強く売られている

ドル円だけでは、どちらの影響が大きいのか分からない場合があります。

ドルインデックスは、米ドルを複数の通貨と比較して指数化することで、米ドル全体の方向を確認するために使われます。

一般的には、ドルインデックスが上昇していればドル高、低下していればドル安が意識されます。

一般的にドルインデックスはDXYを指す

為替ニュースやFXチャートで「ドルインデックス」と呼ばれる場合、一般的にはDXYを指します。

DXYは「U.S. Dollar Index」や「米ドル指数」とも呼ばれます。

チャートサービスによっては、次のように表示されることがあります。

  • DXY
  • USDX
  • U.S. Dollar Index
  • 米ドル指数

この記事では、FX市場で広く確認されているDXYを中心に解説します。

ドルインデックスはドル円とは異なる

ドルインデックスとドル円は、示している内容が異なります。

指標・通貨ペア主に示すもの
ドルインデックス主要通貨に対する米ドル全体の強弱
ドル円米ドルと日本円の相対的な強弱

ドルインデックスが上昇していれば、米ドルが構成通貨に対して全体として強くなっていることを示します。

一方、ドル円の上昇は、米ドルが日本円に対して強くなっていることを示します。

そのため、ドルインデックスとドル円が必ず同じ方向へ動くとは限りません。

DXYの構成通貨と比率

DXYは、米ドルと6つの通貨の為替レートから計算されます。

DXYは6通貨で構成されている

DXYの構成通貨と、おおよその構成比は次のとおりです。

構成通貨通貨コードおおよその構成比
ユーロEUR57.6%
日本円JPY13.6%
英ポンドGBP11.9%
カナダドルCAD9.1%
スウェーデンクローナSEK4.2%
スイスフランCHF3.6%

DXYは、これらの通貨に対する米ドルの為替レートを、それぞれの比重に応じて組み合わせた指数です。

すべての通貨が同じ比率で計算されているわけではありません。

ユーロの比重が大きい

DXYでは、ユーロの構成比が全体の半分以上を占めています。

そのため、ユーロドルの値動きがドルインデックスへ大きく影響します。

たとえば、ECBの利下げ観測やユーロ圏の景気悪化によってユーロが売られると、アメリカ側に強い材料がなくても、ドルインデックスが上昇する場合があります。

この場合、ドルインデックスの上昇は、米ドル固有の強さだけでなく、ユーロの弱さによって起きています。

ドルインデックスを見るときは、ユーロドルの値動きも確認することが大切です。

日本円の構成比はユーロに次いで大きいため、ドル円の大きな変動もDXYへ影響する場合があります。

ただし、ユーロの比重の方が大きいため、ドル円とユーロドルが異なる方向へ動いている場合には、ユーロドルの影響が強く表れることがあります。

豪ドルや中国人民元は含まれていない

DXYには、次のような通貨は含まれていません。

  • 豪ドル
  • ニュージーランドドル
  • 中国人民元
  • メキシコペソ
  • 韓国ウォン

中国人民元は、DXYの構成通貨ではありません。

そのため、DXYだけで現在の国際的な米ドルの価値を完全に把握できるわけではありません。

豪ドル/米ドルなどを取引する場合は、DXYだけでなく、オーストラリアや中国の経済、RBAの金融政策、資源価格なども確認する必要があります。

豪ドルは、鉄鉱石や石炭などの輸出とオーストラリア経済の結びつきが強いことから、代表的な資源国通貨として扱われます。豪ドル・カナダドル・NZドルの特徴や、資源価格が通貨へ影響する仕組みについては、「資源国通貨とは?」の記事で詳しく解説しています。

DXYと実効為替レートの違い

米ドルの強弱を示す指数は、DXYだけではありません。

為替市場でよく使われるDXY

一般的なFXニュースやチャートでは、DXYがドルインデックスとして使われることが多くなります。

DXYには、次の特徴があります。

  • 6通貨で構成されている
  • ユーロの比重が大きい
  • 構成通貨と比率が固定されている
  • FX市場で広く確認されている

短期的な米ドルの方向を見るときに使いやすい指数です。

一方で、現在のアメリカの貿易構造を完全に反映した指数ではありません。

実効為替レートとは

実効為替レートとは、複数の相手国通貨に対する為替レートをまとめて指数化したものです。

貿易相手国との取引比率などを考慮して計算されるため、DXYより幅広い通貨を対象とする場合があります。

物価変動を考慮しない指数は名目実効為替レート、物価変動も考慮した指数は実質実効為替レートと呼ばれます。

DXYと実効為替レートの違いを整理すると、次のとおりです。

指数主な特徴
DXY固定された6通貨で構成され、ユーロの比重が大きい
実効為替レート幅広い貿易相手国を対象とし、貿易比率などを考慮する

FX初心者が日々の米ドルの方向を確認する場合は、まずDXYを確認すると整理しやすくなります。

ただし、DXYが米ドルの価値をあらゆる通貨に対して完全に表しているわけではないことを理解しておきましょう。

ドルインデックスの見方

ドルインデックスを見るときは、現在の数値だけでなく、上昇・低下の方向や変化幅を確認します。

ドルインデックスが上昇する意味

ドルインデックスの上昇は、構成通貨の加重平均に対して、米ドルが全体として強くなっていることを示します。

一般的には、ドル高と表現されます。

主な流れは次のとおりです。

ドルインデックス上昇
→ 米ドルが主要通貨に対して買われている
→ ドル円の上昇やユーロドルの下落が意識される

ただし、すべての通貨に対して米ドルが上昇しているとは限りません。

ユーロが大きく下落したことで、ドルインデックスが上昇している場合もあります。

ドルインデックスが低下する意味

ドルインデックスの低下は、構成通貨の加重平均に対して、米ドルが全体として弱くなっていることを示します。

一般的には、ドル安と表現されます。

主な流れは次のとおりです。

ドルインデックス低下
→ 米ドルが主要通貨に対して売られている
→ ドル円の下落やユーロドルの上昇が意識される

ただし、円も同時に大きく売られていれば、ドルインデックスが低下していてもドル円が上昇することがあります。

100を上回る・下回る意味

DXYは、1973年3月の水準を100として算出された指数です。

ドルインデックスが100を上回っていれば、基準時点より米ドルが構成通貨に対して高い水準にあることを示します。

100を下回っていれば、基準時点より低い水準にあることを示します。

ただし、100を上回っているから米ドルが必ず割高、100を下回っているから割安という意味ではありません。

FXで短期的な方向を確認するときは、100より上か下かよりも、直近で上昇しているのか、低下しているのかを見る方が重要です。

水準より方向と変化幅を確認する

ドルインデックスを見るときは、次の内容を確認します。

  • 前日から上昇・低下しているか
  • 数日から数週間の基調
  • 直近の高値・安値
  • 経済指標発表後の変化
  • 米国債利回りと同じ方向へ動いているか
  • ドル円などの通貨ペアが反応しているか

短時間だけ上昇しても、すぐに元の水準へ戻る場合があります。

一時的な動きだけでなく、数日間の方向も確認しましょう。

ドルインデックスが上昇・低下する主な理由

ドルインデックスは、アメリカの金融政策や経済指標だけでなく、ユーロ圏など構成通貨側の材料によっても動きます。

FOMC・FRB発言による利上げ・利下げ観測

FOMCの政策結果や声明文、ドットチャート、FRB議長の記者会見、FRB関係者の発言によって、将来の利上げ・利下げ観測が変化します。

追加利上げや高金利維持を重視するタカ派的な内容が示されれば、米国債利回りやドルインデックスの上昇につながる場合があります。

反対に、景気や雇用への懸念、利下げに前向きなハト派的な内容が示されれば、米国債利回りやドルインデックスが低下することがあります。

市場が予想する政策変更の時期、回数、変更幅については、**「利上げ・利下げ観測とは?」**の記事で詳しく解説しています。

FOMCの仕組みについては**「FOMCとは?」、中央銀行の政策姿勢の見分け方については「タカ派・ハト派とは?」**の記事で詳しく解説しています。

米国債利回り

米国債利回りが上昇すると、米国債など米ドル建て債券の利回りの魅力が高まり、米ドルが買われる場合があります。

その結果、ドルインデックスが上昇することがあります。

反対に、米国債利回りが低下すれば、米ドルが売られ、ドルインデックスが低下する場合があります。

ただし、米国債利回りとドルインデックスが必ず同じ方向へ動くわけではありません。

財政不安や国債需給の悪化によって長期金利が上昇している場合には、米ドルが素直に買われないことがあります。

米国2年債・10年債利回りの違いや、利回りが動く理由については、**「米国債利回りとは?」**の記事で詳しく解説しています。

アメリカの経済指標

アメリカの経済指標は、FRBの金融政策予想や米国債利回りを通じて、ドルインデックスへ影響します。

主に注目される指標は次のとおりです。

経済指標が市場予想より強ければ、FRBが利下げを急がないとの見方から、米国債利回りやドルインデックスが上昇する場合があります。

反対に、指標が弱ければ利下げ観測が強まり、ドルインデックスが低下することがあります。

ただし、強い経済指標が事前に織り込まれていた場合には、発表後に米ドルが売られることもあります。

このように、強い経済指標と米ドルの値動きが一致しない理由や、織り込み、指標の内訳、金融政策、米国債利回りを確認する順番については、**「強い経済指標でも通貨高にならない理由」**の記事で詳しく解説しています。

ECBなど他国の金融政策

DXYはユーロの比重が大きいため、ECBの金融政策やユーロ圏の経済指標でも大きく動きます。

たとえば、ECBの利下げ観測が強まり、ユーロが売られた場合を考えます。

アメリカ側に新しいドル買い材料がなくても、ユーロドルが下落することでドルインデックスが上昇することがあります。

反対に、ECBがタカ派的な姿勢を示し、ユーロが買われれば、ドルインデックスが低下する場合があります。

ドルインデックスを見るときは、FRBだけでなく、ECBやユーロ圏の材料も確認することが重要です。

株価下落や金融不安

金融不安や地政学リスクが強まると、安全性や流動性が意識され、米ドルが買われてドルインデックスが上昇する場合があります。

ただし、すべてのリスク回避で米ドルが上昇するとは限りません。

金融不安の原因がアメリカ国内にあり、米国経済や金融システムへの信頼が低下している場合には、米ドルが売られる可能性もあります。

リスク回避という言葉だけで判断せず、何が不安視されているのかを確認しましょう。

株価、VIX指数、国債利回り、米ドル、円、豪ドルなどを組み合わせて市場心理を判断する方法については、「リスクオン・リスクオフとは?」の記事で詳しく解説しています。

ドルインデックスと米国債利回りの違い

米国債利回りとドルインデックスは、どちらも米ドルの方向を考えるうえで重要ですが、示している内容が異なります。

確認対象主に確認できること
米国債利回り金融政策、景気、インフレ、財政、国債需給を反映する市場金利
ドルインデックス主要通貨に対する米ドル全体の強弱
ドル円米ドルと日本円の相対的な強弱

一般的には、米国債利回りが上昇すると米ドルが買われ、ドルインデックスも上昇しやすくなります。

反対に、米国債利回りが低下すると米ドルが売られ、ドルインデックスも低下しやすくなります。

ただし、利回り上昇の原因が財政不安や国債需給の悪化だった場合や、ユーロなど構成通貨側の材料が強かった場合には、同じ方向へ動かないことがあります。

米国債利回りはアメリカの市場金利がどの方向へ動いているのかを確認するもの、ドルインデックスは主要通貨に対する米ドル全体の強弱を確認するものとして使い分けましょう。

ドルインデックスとドル円の関係

ドルインデックスとドル円は同じ方向へ動きやすいものの、常に一致するわけではありません。

ドルインデックスとドル円の基本的な関係

一般的な関係は次のとおりです。

ドルインデックスドル円への一般的な影響
上昇ドル高・円安、ドル円上昇の材料
低下ドル安・円高、ドル円下落の材料

ドルインデックスが上昇している場合、米ドルが主要通貨に対して広く買われている可能性があります。

米ドル買いがドル円にも広がれば、ドル円の上昇材料になります。

反対に、ドルインデックスが低下している場合は、米ドル売りによってドル円の下落が意識されます。

ドルインデックスとドル円が反対方向へ動く理由

ドルインデックスが上昇していても、ドル円が下落する場合があります。

主な理由は次のとおりです。

  • ユーロ安によってDXYだけが上昇している
  • 日銀の利上げ観測によって円が買われている
  • リスク回避による円買いが強い
  • 米ドルの強材料がすでに織り込まれている
  • 比較している時間軸が異なる

たとえば、ユーロが大きく売られてDXYが上昇する一方、日銀の利上げ観測によって円が買われている場合があります。

この場合、ドルインデックスは上昇していても、ドル円では円買いが優勢になり、下落する可能性があります。

また、金融不安では米ドルと円が同時に買われることがあります。

ドルインデックスが上昇しても、円買いの方が強ければ、ドル円は下落します。

米ドルと円は、どちらも金融不安や地政学リスクなどで市場が不安定になったときに買われることがある安全通貨です。そのため、リスクオフ時のドル円は、米ドルと円のどちらへの需要が強いかによって方向が変わります。円・米ドル・スイスフランの特徴や、安全通貨同士の通貨ペアの見方については、「安全通貨とは?」の記事で詳しく解説しています。

ドル円では日本側の材料も確認する

ドル円を見るときは、米ドル側だけでなく、次の日本側の材料も確認します。

  • 日銀の利上げ・利下げ観測
  • 日本国債利回り
  • 日本のインフレや景気
  • 日銀総裁の発言
  • 為替介入への警戒
  • リスク回避による円買い

ドルインデックスが示すのは、米ドル全体の強弱です。

ドル円の方向を判断するには、日本円の強弱も確認する必要があります。

ドルインデックスがFXの通貨ペアに与える影響

ドルインデックスは、米ドルを含む複数の通貨ペアを確認するときに使えます。

ユーロドルとは反対方向へ動きやすい

DXYではユーロの比重が大きいため、ドルインデックスとユーロドルは反対方向へ動きやすくなります。

一般的な関係は次のとおりです。

ドルインデックスユーロドル
上昇下落材料
低下上昇材料

ユーロドルでは、ユーロが左側、米ドルが右側にあります。

米ドルが強くなればユーロドルは下落し、米ドルが弱くなればユーロドルは上昇しやすくなります。

ただし、ECBの政策見通しやユーロ圏の経済指標も影響します。

米ドルの位置によって通貨ペアの見方が変わる

通貨ペアでは、米ドルが左側にあるのか、右側にあるのかで値動きの見方が変わります。

米ドルの位置主な通貨ペアドル高になった場合
左側ドル円、米ドルスイスフラン上昇材料
右側ユーロドル、ポンドドル、豪ドル米ドル下落材料

米ドル全体が買われれば、ドル円や米ドルスイスフランは上昇し、ユーロドルやポンドドル、豪ドル米ドルは下落する場合があります。

ただし、通貨ペアは2通貨の相対関係で動きます。

ポンドドルではBOEや英国経済、豪ドル米ドルではRBA、豪州経済、中国経済、資源価格なども確認する必要があります。

同じように、米ドル/スイスフランでは、ドルインデックスで米ドル全体の強弱を確認するだけでなく、スイスフラン側の材料も確認します。スイスフランは安全通貨として買われることがあるほか、SNBの金融政策や欧州の政治・金融情勢からも影響を受けます。スイスフランが安全通貨として買われる理由や、米ドル/スイスフランの見方については、「スイスフランが安全通貨として買われる理由とは?」の記事で詳しく解説しています。

米ドル/カナダドルでは原油価格も確認する

米ドル/カナダドルを分析するときは、ドルインデックスで米ドル全体の強弱を確認するだけでなく、カナダドル側の材料も確認します。

DXYにはカナダドルが含まれていますが、ユーロの比重が大きいため、DXYだけではカナダドル固有の強弱を十分に判断できません。

カナダは原油や天然ガスを輸出しており、カナダドルは原油価格の影響を受けやすい資源国通貨です。

一般的には、原油価格が上昇してカナダドルが買われると、米ドル/カナダドルは下落しやすくなります。反対に、原油価格が下落してカナダドルが売られると、米ドル/カナダドルは上昇しやすくなります。

ただし、FRBの利下げ観測後退や米国債利回りの上昇によって米ドルが強く買われれば、原油価格が上昇していても米ドル/カナダドルが上昇することがあります。

米ドル/カナダドルを見るときは、主に次の材料を組み合わせて確認しましょう。

  • ドルインデックス
  • 米国債利回りとFRBの政策見通し
  • WTIなどの原油価格
  • カナダ銀行の政策見通し
  • カナダの物価・雇用・景気

原油価格がカナダドルへ影響する仕組みや、WTI・WCS、米ドル/カナダドルの見方については、「原油価格がカナダドルに影響する理由とは?」の記事で詳しく解説しています。

クロス円には間接的に影響する

ユーロ円やポンド円など、米ドルを含まない通貨ペアはクロス円と呼ばれます。

クロス円は、ドルインデックスから直接影響を受ける通貨ペアではありません。

ただし、ドルインデックスの変動によってユーロドルやポンドドル、ドル円が動くと、クロス円にも影響が広がる場合があります。

また、金融不安や株価下落によってリスク回避の円買いが強まると、クロス円が下落することがあります。

FX初心者がドルインデックスを確認する手順

ドルインデックスを見るときは、方向、米国債利回り、変動理由、相手通貨、市場反応の順に確認すると整理しやすくなります。

ドルインデックスの方向と数日間の流れを確認する

最初に、ドルインデックスが上昇・低下しているのかを確認します。

現在値だけでなく、前日比や数日から数週間の方向を見ましょう。

主に次の内容を確認します。

  • 直近で上昇・低下しているか
  • 前回高値・安値を更新したか
  • 経済指標後も同じ方向が続いているか
  • 短期と中期の方向が一致しているか

一時的な動きだけで判断しないことが大切です。

米国2年債・10年債利回りを確認する

次に、米国2年債利回りと米国10年債利回りを確認します。

ドルインデックスと米国債利回りが同じ方向へ動いていれば、金融政策や金利が米ドルを動かしている可能性があります。

たとえば、米国2年債利回りとドルインデックスが同時に上昇していれば、FRBの利下げ観測が後退している可能性があります。

一方、ドルインデックスだけが上昇していれば、ユーロなど構成通貨側の材料も確認しましょう。

ドルインデックスが動いた理由を確認する

ドルインデックスが動いた主な理由を整理します。

  • FRBの金融政策予想
  • アメリカの経済指標
  • 米国債利回り
  • ECBなど他国の金融政策
  • 金融不安や地政学リスク
  • 利益確定やポジション調整

方向を見るだけでなく、なぜ動いたのかを確認することが重要です。

取引する通貨ペアの相手通貨を確認する

ドル円なら円、ユーロドルならユーロ、ポンドドルなら英ポンドの材料も確認します。

たとえば、ドルインデックスが上昇していても、日銀の利上げ観測がさらに強まれば、ドル円が下落することがあります。

通貨ペアは、米ドルだけでなく相手通貨との比較で動きます。

ドルインデックスと通貨ペアの反応を比較する

最後に、ドルインデックスと実際に取引する通貨ペアの反応を、同じ時間軸で比較します。

日足のドルインデックスと日足のドル円、1時間足同士など、時間軸をそろえて確認しましょう。

ドルインデックスとドル円が同じ方向へ動いていれば、米ドル側の材料が強く影響している可能性があります。

異なる方向へ動いている場合は、円側の材料が優先されている可能性があります。

ニュースの説明だけでなく、実際のチャートの反応まで確認することが大切です。

ドルインデックスに関するよくある質問

ドルインデックスとDXYは同じですか?

為替ニュースやFXチャートでドルインデックスと呼ばれる場合、一般的にはDXYを指します。

DXYは、ユーロ、日本円、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランに対する米ドルの強弱を示す指数です。

ドルインデックスにはどの通貨が含まれますか?

DXYには、次の6通貨が含まれます。

  • ユーロ
  • 日本円
  • 英ポンド
  • カナダドル
  • スウェーデンクローナ
  • スイスフラン

豪ドル、中国人民元、ニュージーランドドルなどは含まれていません。

ドルインデックスが上がるとドル円も必ず上がりますか?

必ず上昇するわけではありません。

ユーロ安によってドルインデックスが上昇していても、日銀の利上げ観測などで円が強く買われれば、ドル円が下落する場合があります。

ドル円では、米ドルだけでなく日本円の材料も確認する必要があります。

ドルインデックスとユーロドルが反対方向へ動きやすいのはなぜですか?

DXYではユーロの比重が大きく、ユーロドルでは米ドルが右側にあるためです。

ユーロドルが下落すると、ユーロ安・ドル高となり、ドルインデックスは上昇しやすくなります。

反対に、ユーロドルが上昇すると、ドルインデックスは低下しやすくなります。

ドルインデックスの100は何を意味しますか?

DXYは、1973年3月の水準を100として算出されています。

100を上回っていれば基準時点より米ドルが高い水準、下回っていれば低い水準にあることを示します。

ただし、100を上回っているから米ドルが割高という意味ではありません。

FXでは、100より上か下かよりも、直近で上昇・低下しているかを確認する方が重要です。

ドルインデックスと米国債利回りは同じものですか?

同じものではありません。

米国債利回りは、米国債の市場価格によって決まるアメリカの市場金利です。

ドルインデックスは、主要通貨に対する米ドルの強弱を示す指数です。

一般的には同じ方向へ動きやすいものの、財政不安やユーロ側の材料などによって異なる方向へ動くことがあります。

まとめ|ドルインデックスは米ドル全体の方向と動いた理由を確認しよう

ドルインデックスとは、主要通貨に対する米ドル全体の強弱を示す指数です。

一般的には、6通貨で構成されるDXYを指します。

DXYではユーロの比重が大きいため、ドルインデックスの上昇が米ドル固有の強さではなく、ユーロの弱さによって起きる場合があります。

ドルインデックスの上昇はドル高、低下はドル安を示しますが、100より上か下かより、直近の方向と変化幅を確認することが重要です。

ドルインデックスは、FRBの金融政策、米国債利回り、アメリカの経済指標だけでなく、ECBなど構成通貨側の材料でも動きます。

ドル円を見る場合は、ドルインデックスだけでなく、日銀の政策見通し、日本国債利回り、円の強弱も確認しましょう。

ドルインデックス、米国2年債・10年債利回り、取引する通貨ペアの反応を組み合わせて確認することが大切です。

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